わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2006-06-26から1日間の記事一覧

堀江敏幸『河岸忘日抄』

大家は主人公に「悲しみの定義とはなんだ」とむちゃな問いを投げ掛ける。主人公にはわからない。答えたところで、そんなもの定義されてたまるか、と大家に言い返されるだけ。 彼の家で珈琲をごちそうになることを楽しみにしている郵便配達夫が、ふと漏らした…

窓辺の花子

六時、雨音で目が覚める。近ごろは目が覚めると花子がどこにいるのかを確認するのが日課になった。大抵の場合、そばに置いたケージの屋根の上に転がっているか、ツメトギ専用となってしまった古い事務用イスの座面で丸まっているかのどちらかだが、時折ぼく…