「群像」2020年1月号の新年短篇特集に掲載。例によって自身の波瀾万丈の恋愛人生を題材にした私小説なのだが、数十年を一気に駆けぬけるような展開だというのに、その一瞬一瞬の感情が、たいして描写されてもいないにもかかわらず、克明に伝わってくる。そし…
五時、尿意で目が覚めてしまった。二度寝するのも中途半端だ。布団のなかでウダウダとしていたら、隣家から低い振動のような音が伝わってきた。洗濯機が回っているのか、エアコンの振動か。隣りではなく、上からかもしれない。構造上、斜め上の物音がもっと…
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