わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・哲学・思想の読書日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

読書日記

濡れながら燃える

五時四十五分起床。雨。濡れながら燃えるゴミを出す。 妻は今日から東日本橋の「ねこの引出し」で個展だ。見送りつつ、仕事も進める。勤労感謝の日だが例によって今年も仕事だ。某案件の企画書を黙々と進める。寒いせいか、一日中鼻水が止まらない。 www.fac…

磯崎憲一郎×中島岳志「「与格」がもたらした小説」

「群像」2017年12月号掲載。小説とは個人の主張によって書くものではなく、小説によって書かされるものであり、作者は小説に仕える立場の者だ、といった趣旨。読解し固定的な読み方を強制する現代の国語教育への警鐘が、実はひな壇芸人の役割分担のような社…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(8)

「群像」2017年12月号掲載。冷凍入れ歯。市場のお祭りに巣食うオトナの事情的なアレコレ。キリンみたいな体型の男性事務員の大道芸。形見の文庫本に付着していたなぞの赤いシミ。綿菓子。小ネタばかりで地味なのだが、グングンと作品世界に引き込まれていく…

心の中でニヤニヤ

五時三十分、パンパンになった膀胱のおかげで自然に目が覚める。「パンパンになった膀胱」という表現は、金井美恵子の作品に出てくるものだ。まったく同じではないと思うが。でも、ちょっと気に入っている。トイレを我慢するたびに、心の中でニヤニヤしなが…

金井美恵子『カストロの尻』

「胡同の素馨」。男の手元に残る古い書籍。物語のようだが、内容は限りなくシェイクスピアに近い。読み進めるほど、映画や芝居の世界に、活字を通じて深く埋没していくような感覚に襲われる。 カストロの尻 作者: 金井美恵子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日…

金井美恵子『カストロの尻』

「胡同の素馨」。ふーとんのじゃすみん、と読む。 海辺の町で血縁関係はないおばあさんの家で夏休みを過ごしていた「私」と、同じく血縁はないらしいお姉さんである菊子の二人の思い出話のなかに登場したモチーフが、ちょっと設定をアレンジした感じで登場。…

金井美恵子『カストロの尻』

「シテール島への、」。一つ前の作品の世界観はうっすらとつづいているようなのだが、語り手の「私」は大人になったようで、最後のほうまで読むと、どうやらまったく別の人物であることがわかる。人工池の島を、映画のシーンなどを思い浮かべながらぼんやり…

台風と睡眠、惰眠ではなく

六時三十分起床。雨。二週連続の台風。つい先週は、そして今週は、と比較し、どこが違うのか、気象学の専門知識などないに等しいというのに、あれこれ考えてしまう。 風邪はほぼ抜けているのだが、念のため、今日は寝て過ごした。 夕方、妻の友人が来訪。起…

金井美恵子『カストロの尻』

「群像」最新号に一通り目を通したので、こちらを再開。 「呼び声、もしくはサンザシ」。ミクロで多焦点な描写で、昭和30年代だろうか、少女の田舎での夏休みの様子が淡々と描かれる。田舎という違う環境にも忍び寄る退屈さ、そしてちょっぴり背伸びしたい感…

佐伯一麦「山海記」(14)

「群像」2017年11月号掲載。この連載は史実の説明が大半になってしまうことが浩のだけれど、旧友とレコードを聴きまくった思い出だの、今回のように雪の中で十津川の吊り橋を渡る話だの、史実から離れたエピソードのほうがぐっと惹かれる。作家の冷静な視線…

足りないさんま

五時四十五分起床。曇りがちだが、時折青い空が向いの一戸建ての屋根越しに見える。 朝から書斎にこもって仕事。動いている案件の数は少ないのだが、密度は濃く、手数も多い印象。午前中はスポーツ関連の案件の企画をとりまとめ、メールで納品。午後からは脳…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学 近代篇12 予定説がとり残したもの」

「群像」2017年11月号掲載。 キリスト教の「最後の審判」と資本主義における資本の再投下の共通性。最後の審判の無限ループ化がよく理解できず、思考停止状態…。著者がいっていることを別の言い方にすると、終わりと始まりの共存、否定と肯定の共存というこ…

オーケンに似ている

六時三十分起床。雨。昨夜は布団を厚い物に換えた。換えて正解だった、と痛感しつつ身支度をする。コジコジのカゴも冬使用にしてあげた。段ボールでの断熱、そしてパネルヒーター。段ボールはAmazonの箱を二つ、レイメイのハサミで両方とも側面をジョッキジ…

石田千「母とユニクロ」

「群像」2017年11月号掲載。東北の実家に帰った「私」が、七十代で洋裁の先生をしている母と、佐々木希の下着姿のCMに触発されてイオンに入っているユニクロまで出かけるのだが、丁寧に語られる母の日常や、時折挟み込まれる「私」の東京での暮らしぶりが、…

松浦寿輝「人外」

「群像」2017年11月号掲載。 難解な描写がひたすらつづくのだが、次第にわかりやすい表現となり、それにともない、語られている主人公が、どうやら人間ではなく、人間だったころの(前世の)記憶と言葉を持ち合わせたなにかであることがわかってくる。ひとま…

往復の夜

三時、腹痛で目が覚める。一時間ほどトイレと布団を往復。へとへとになる。 五時四十五分、起きれず。三十分後になんとか起床。ふう。 仕事。某企業の会社案内のコピー。悩みまくってしまう。遅々として進まず。午後、なんとか光明が差しはじめる。 夕方は別…

松浦寿輝「人外」

「群像」2017年11月号掲載。新連載。 言葉を使い、考えることのできる謎の動物(?)の誕生から成長(?)に関するモノローグが続く。よくわからない。 群像 2017年 11 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/10/07 メディア: 雑誌 この商品を含…

肌寒さが重なる

五時二十分、肌寒さに目が覚める。朝一番の長い放尿。さらに肌寒くなる。 仕事。某案件のコピーを仕上げる。 十二時、都内某所にて打ち合わせ。話がどんどん大きくなっているのはおもしろいのだが、ゴールが見えなくなりつつある。 さんま入りの天せいろで昼…

忙しいので短め

五時四十五分起床。肌寒い朝。 日中は外出、打ち合わせ。夜は仕事のメールが途切れず。二十三時ごろ、ようやく収束。ふう。 読書は、金井美恵子『カストロの尻』を少しだけ。 カストロの尻 作者: 金井美恵子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/05/31 メ…

金井美恵子『カストロの尻』

「破船」。語り手である「私」の少女時代の、映画にまつわる記憶。というよりも、近くの映画館のフロアで見たものと実際に見た(らしい)映画の記憶が、丁寧に、しかしなぜか混濁しているような印象のなかで(一つの文がひたすら長い金井節だからこそそうい…

三浦佑之「出雲神話論」(1)

「群像」2017年10月号掲載。連載第一回なので膨大な量が掲載されている。古事記と日本書紀を比べると日本書紀には大国主命に関する神話がほとんど掲載されていない点に着目し、日本書紀に掲載されていないのはなんらかの政治的(と言っていいのかよくわから…

平穏な一方で

六時十五分起床。少し肌寒い。 午前中は掃除。午後はアイロンがけ。夕方は酢豚をつくった。 平穏な一日。ありがたいことだ。だが友人のところでは飼っている猫の体調が悪くなったり、別の猫が行方不明になったりと(見つかったのだが)、大変そうだった。 読…

猫がいなくて

五時四十五分起床。肌寒い朝。 たとえ一泊二日でも預かった保護猫たちがいなくなったことで、はやりの表現を使えば猫ロス、という状況になるのかと思ったがまったくそんなことはなく、いつも通りの朝。あの子たちのために購入し組み立てたものの、まだ片付け…

金井美恵子「カストロの尻」

最新作ということになるのかな。連作というか、短編集というか。 一作目の「「この人を見よ」あるいは、ボヴァリー夫人も私だ」を読みはじめる。これ、初出の時に文芸誌で読んでるんだよなあ。後藤明生の『この人を見よ』や、金井の80年代の傑作『文章教室』…

中村太郎「慎ましく世界を破壊すること」

読了。なくした右腕を探す男は絶望して義手を壊し、男に付き添った若者は自殺したかもしれない女とその子どもに会いに行く。厭世的な雰囲気に満ちた作品だったが、最後にかすかな希望が見える。ベタな表現だが、そんなことは関係ない。 群像 2017年 10 月号 …

中村太郎「慎ましく世界を破壊すること」

「群像」2017年10月号掲載。1970年代の東京が舞台。無気力な青年が出会った子連れの売春婦・夏子は彼に自殺を予告。その数日後、若い女と乳児の身元不明の死体が見つかる事件が起きる。彼はその死体が夏子かどうか確かめるために遺体が安置された警察署へ出…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学」近代編10 終わりなき終わり

「群像」2017年9月号掲載。資本主義以前の社会形態(貨幣、あるいは交換価値そのものが存在しない時代)と、資本主義との本質的な違いを、「労働」のあり方に求めている。より具体的にいえば、その労働は誰のためのものか、という問題。非資本主義(前資本主…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」

「群像」2017年10月号掲載。餅。餅だけで1話。 群像 2017年 10 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/09/07 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る 堀江敏幸の作品はこちら。

諸星大二郎『BOX』(1)

「箱」をテーマにしたサスペンス色の強いホラー。ちょっと異次元的というか。『栞と紙魚子』のムルムルとか『妖怪ハンター』のヒルコみたいのもウジャウジャ出てくる。 諸星先生、コレもおもしろいのですが、はよ『西遊妖猿伝』の続きを書いてください。悟空…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学」近代篇9 召命と階級」

「群像」2017年8月号掲載。ルター訳新約聖書で「召された」という表現がドイツ語ではBerufにあてられていることにヴェーバーが着目している点を出発点に、資本主義の根本である「階級」の概念の本質に迫っている。ヨーロッパの歴史のなかで一度は廃止された…