わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・哲学・思想の読書日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

読書日記

夫婦の遭遇

五時四十五分起床。晴れ。ますます春の気配が色濃くなり、桜の開花を意識するようになってきた。 仕事。午前中は某企業リクルートパンフのコピー。手こずるかと思ったが、すんなりと進んでしまって拍子抜け。 午後は別の企業のカレンダーの企画。こちらはサ…

マグを買う

うりゃうりゃの命日。1人暮らしの頃に飼いはじめたセキセイインコで、妻と結婚したときに妻の連れ子セキセイのハチといっしょに暮らすことになった子だ。最後は痛風で大変そうだった。今とおなじくらい鳥の健康管理に関する知識があれば(当時はきちんとした…

押し込み傾向

五時四十五分起床。激務がつづいている。ふだんから自分の生活の中のゆとりだのすきまだのといった時間がほとんどないことを気にしてはいるのだが、その傾向がここ数週間でさらに強まっている。その傾向が体にも現れているのか、夕方はなんとか時間をつくっ…

鉛筆のチカラ

五時四十分起床。日の出前から葵の遊びに付き合わされる。ここ数カ月つづいている玉っころ遊びのマイブーム、いっこうに飽きる気配がない。 仕事。某企業のカタログリニューアルを軸にしたプロモーションの企画。まったくのノーアイデアだったが、鉛筆で、と…

なまめかしい

五時四十五分起床。曇天。機能の日差しが恋しくなる。だが気温が下がっているわけではない。むしろ、温度も湿度も、妙に春めいていてなまめかしい。 ほぼ終日仕事。 夕方、クイーンズ伊勢丹へ買い出し。改装のため3月17日で一時閉店らしい。新装後は店内にド…

奥泉光『雪の階』

三章に入り、物語はさらに大きく動き、そして謎めいていく。主人公の惟佐子は一歩引いた感じになり、他の登場人物たちが、事件の解明に向かって慌ただしく動く。それでも昭和初期的な文体はしっかりキープされている。緻密に計算されているんだなあ。 雪の階…

バシャバシャと

もう三月か、という陳腐な感想をつい抱いてしまう。やたらと濃密な日々を過ごしているというのに、濃さより動きの速さ、変化の速さのほうにばかり、つい気を取られる。濃い状態は一瞬としてつづかず、あっという間につぎの、別種の濃さがやって来る。そこに…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(21)

「群像」2019年3月号掲載。 同級生であり、雇用関係にもある二人の男の会話。この小説は基本的に会話劇なのだが、大きな物語があるわけではなく、市場にある食堂を軸にした人間関係の広がりを、俯瞰的に描くというのが基本的な内容。会話の中には小さな物語…

二日目のカレー

なんだか早く目が覚めちゃったなあ、もう少し寝たいなあ、と思いながら時計を見ると、まだ一時半だった。布団に入ってから一時間しか経っていない。なんだ、この感覚は。この一時間で、五時間分くらい深く眠れたということか。それとも、どこかがブッ壊れて…

多和田葉子「星に仄めかされて」(3)

「群像」2019年3月号掲載。 今回の語り手はエスキモーのナヌーク。ヒッチハイクでコペンハーゲンにいるSusanooに会いにいこうとするが、ラッキー(つまり他者からの親切)が重なり、あっという間に病院に着くことができた。そこで彼は、ムンンや性格最悪の精…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(20)

「群像」2019年2月号掲載。 なんだろ、「群像」における「男はつらいよ」じゃないけど、そんな感じの存在感になりつつあるようなw 白菜の漬け物を仕込む作業中に倒れ病院に運ばれた女性の手を握る夫。その手に、漬物の塩のじゃりっとした粒が付く。女性はそ…

保坂和志「鉄の胡蝶は夢と歳月に記憶は彫るか」(7)

「群像」2019年2月号掲載。猫との記憶、音楽の記憶、ドラマの記憶といった断片を、人との記憶が貫いていく。いや、違うかもしれない。すべての記憶を、すべての記憶が貫き合っている。だから記憶は、一直線に向かっていかない。複雑の網目状に広がる、ノンリ…

絲山秋子「御社のチャラ男」(10)

「群像」2019年2月号掲載。 今回の主役は、チャラ男の部下で、うつ病で休職した二十九歳の独身女性。自分のよさは努力すること、それしか取り柄がないから努力する、そんな思い込みが、落とし穴になる。しかし、小さなことがきっかけで、這い上がれることも…

瀬戸内寂聴「その日まで」(6)

「群像」2019年2月号掲載。 九十四歳の染色家で人間国宝の志村ふくみ、そして石牟礼道子との交友。彼女たちの家族と接することで、かつて家族を捨てたことに対する想いが去来していく。 この作品はエッセイだからほぼ事実なのだと思うが、寂聴さん、また転ん…

今日の事件簿

胃腸の不調は治った事件(なんだったんだろ) のんびりのんびり事件 じっくりストレッチ一時間事件 豚肉菜の花炒めはうまいなあ事件 今日読んだのは ●ジョージ・チャム+ダニエル・ホワイトソン『僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない』 ダークマターとダ…

膨れ、片付き、

五時四十五分起床。午前中は銀行で事務処理。午後は書斎にこもって作業。作業がどんどん膨れあがっていくが、それなりに片付いてもいるから、まあ、いいバランスではあるのだろう。 夜は風呂でリービ英雄「西の蔵の声」を読んでいたが、例によって寝落ちして…

リービ英雄「西の蔵の声」

「群像」2019年2月号掲載。 作者自身がモデルらしい、新宿在住の六十代の白人の物書きがチベットを訪れる。この作者らしい、行間があるというよりも文中にぽっかり穴が開いているような、不思議な感覚が満ちている。リービ作品を読むと必ず感じるこの深い穴…

円城塔「わたしたちのてばなしたもの」

「群像」2019年2月号掲載。短篇特集「文学にできることをⅡ」の一篇。 おそらく設定されている時間は遠い未来。といってもSFではなく、言葉からあらゆる無駄が淘汰された時代に生きる語り手が、過去の言葉、つまり現代を生きる我々が使っている言葉で、言葉の…

空想の天気図

五時四十五分起床。青空だが風は強く冷たく、冬型の気圧配置なのだろうなあ、と、さほどない知識を使って頭のなかに下手くそで不正確な気圧配置を描いてみる。 十時三十分、小石川へ。某案件の打ち合わせ。二時間の予定が三時間になった。 サンドイッチで昼…

佐伯一麦「ななかまど、ローワンツリー」

「群像」2019年2月号の短篇小説特集「文学にできることをⅡ」に掲載。 染め物?の作家の妻の展覧会のためにイギリスの友人宅に滞在する小説家夫婦。その友人は東日本大震災の時に小説家夫婦のもとを訪れ、被災していた。外国での被災という事実が生み出すさま…

疲労と病気猫と

五時四十五分起床。昨日のランニングのせいだろう、疲労が軽くたまった感じ。十二月、アデノウイルスと気管支炎で三週間ほど走れなかった時の体力低下を、まだ引きずっているのかもしれない。ま、時間が解決してくれるはずだ。 友人Sの家の猫、チロルが亡く…

妙に腹が

五時四十五分起床。今朝は特に寒い。布団の中に入っていても寒い。 九時、喘息の検診のために内科医へ。最近痰が絡みやすいと言ったら薬を出してくれた。 午後は銀座へ。なんとかモノにできればいいのだが。久々にNさん、Hさんと再会。お二人とも元気そう。…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(19)

「群像」2019年1月号掲載。 市場の食堂のスタッフと店に訪れるお客たちの会話や記憶が巧みに紡がれているのだが、彼らの記憶を通じて、その世界観が少しずつ広がりはじめているような…。 群像 2019年 01 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/1…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学」近代篇26 分離派の倫理と資本主義の精神

「群像」2019年1月号掲載。 ドストエフスキーの作品を、「資本主義の原理」という視点から読み解くという試み。バフチンの読解が重要になる。ロシア正教の分離派という存在については全然知らなかった… 群像 2019年 01 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 …

絲山秋子「御社のチャラ男(9)」

「群像」2019年1月号掲載。今日、2月号が届いちゃったけど、まだ1月号を読み終えていない。読みたいところしか読んでないんだけどね。 万引き癖のある男、共依存な妻、そして男を上司として無意識のうちに攻撃して優位に立とうとする(と男が勝手に分析して…

中沢新一「レンマ学(12) 芸術のロゴスとレンマ」

「群像」2019年1月号掲載。 旧人類も音声による言語は使用していたが、ホモサピエンスとの大きな違いは、ホモサピエンスは直接的な情報の交通だけでなく、比喩という表現が可能であるということ。この、置換して表現するという技術(って言っていいのかな)…

年の瀬の三発

五時四十五分起床。 事務処理を済ませてから外出。そして打ち合わせを三発。少し疲れた。 読書は保坂和志「鉄の胡蝶は歳月に夢は記憶の彫るか」(6)(「群像」2018年1月号掲載)。時間と場所、記憶、感覚、身体性。 群像 2019年 01 月号 [雑誌] 出版社/メー…

気ぜわしき断絶

五時四十五分起床。寒い。デロンギのオイルヒーターでは部屋が暖まらない気がしてタイマー機能を使って五時頃からエアコンがオンになるようにしたのだが、このわずか三、四十分の間にノドが痛くなった。ノドの内側がドーナツ状に水分を奪われたような感覚。…

多和田葉子「星に仄めかされて」(1)

「群像」2019年1月号掲載。言葉と人間存在の本質に大変化球で迫った大傑作『地球にちりばめられて』の第二章という位置づけらしい。 病院の半地下でお皿の下洗いの仕事をするムンンとヴィタのところに突然やって来た(というか迷いこんできた)男の名は、Sus…

小山田浩子「夜神楽の子供」

「群像」2019年1月号掲載。短篇小説特集「文学にできることを Ⅰ」に掲載。 中間管理職になったらしい独身女性が、秋祭りの季節にふと実家のあたりでこの時期になるとあちこちに祀る「シデ」を、そして夢に見た神楽の祭りを思い出し、帰省し秋祭りの夜神楽を…