わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

三遊亭小遊三・春風亭小柳枝 二人会

 小遊三と言えば「笑点」の色男&泥棒&イボンヌキャラ。しかし、落語の実力はなかなかのものだ。小柳枝のことはよく知らなかったが、先日観た春雨や雷蔵以上の技巧派と見た。

  • 開口一番 桂ち太郎「子ほめ」…まあ、こんなもんでしょ。前座さんですから。この子、まだ10代かも。
  • 落語 春風亭笑松「つぼ算」…小柳枝の五番目の弟子、二つ目。前半はかなりかったるかったが、後半の、瀬戸物やの主がそろばんはじきながら悩むところはなかなか。すっとぼけた話調でぐいぐい観客をひっぱっていた。
  • 落語 三遊亭小遊三「千早ふる」…スゲエ。アドリブやオリジナルの演出がてんこ盛り。よーく知っている噺だというのに、つい引き込まれ、笑ってしまう。話芸としてはどちらかと言えば粗っぽいほうだと思うけれど、噺の構成力がとんでもなくスゴイと思った。
  • 落語 春風亭小柳枝「井戸の茶碗」…ささやくような枕話がつづくと思えば、その口調がそのまま江戸時代の屑屋の口上となり、そのトーンからゆるやかに噺へとつながっていく。そして、噺が進むにつれて声量も大きくなる。そのあでやかな技巧に酔ってしまった。これまたスゲエ。
  • 仲入り
  • 踊り 笹乃梅沙社中
  • 落語 春風亭小柳枝「粗忽長屋」…人情噺でぐいぐい引き込んでおいて、こんどは正反対の熊さん八つぁんの長屋噺。「井戸の茶碗」で武家の固い口調と屑屋のきまじめな口調を聞かせてくれたあとに、くずれにくずれた下町のべらんめえでとどめをさされてしまった。
  • 落語 三遊亭小遊三「引越しの夢」…ばっかばかしい演出。自分の持ち味をしっかり活かしてるんだなあ、と痛感。