わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

堀江敏幸『いつか王子駅で』

 カステラを残して行方がわからなくなった正吉さんを心配しつつも、主人公の意識は四方八方へと広がりつづける。ただ、その意識の広がりを呼び起こす契機となっているのは、あくまで正吉さんの存在。そして、王子という町のもつ独特のニオイのようなもの。