日本が世界に誇れるものはナニか、と自問したとき、出てきた答えは「漫画」。というわけで、没後10年を迎える巨匠・石ノ森章太郎の作品を大胆に取り入れたコレクション。目玉作品の「仮面ライダー」のニットは21万! 原画に忠実な再現をするためにかなり無茶な編み方をしているらしく、編み機が壊れるのを覚悟で手編みした結果の値段らしい。山本耀司は漫画、ヒーローを作品によく取り入れる。一歩間違えればアキバ系なのだが、そうならないのは強烈な哲学に支えられた服づくりに徹しているからなのだろう。今後、「サイボーグ009」「ロボット刑事K」「イナズマン」などのアイテムも登場するらしい。石ノ森ファンとしてはうれしい限り。買わないけど。
メインのラインは、やや長めのシルエットの、ウールギャバジン+ニットなどの異素材ジャケットにショート丈のパンツ、そして「Dr.マーチン」とのタイアップによるブーツという組み合わせ。3年前くらいにもマーチンとのタイアップでショート丈パンツは登場したが、あのときよりもエレガント。かなり惚れ込んだが、仕事に使いにくいので購入はせず。今回は、コレクションでは発表されなかったウールギャバジンのセットアップを買った。ジャケットは丈がやや長め、襟の部分が片方だけ二重になっている。パンツは定番の、ウェストを紐でしばるワイドパンツ、いわゆる「紐パン」にした。
ほか、縮絨素材の真っ赤なコートなど、どことなく最近の「Y's」(レディス)につながるような世界観の作品が目立った。