http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2007/LIFE_fii/index_j.html
坂本が99年に武道館などで行ったオペラの映像を担当した高谷氏との最新コラボ。天井から吊るされた正方形の九つの、水を張った水槽をスクリーンにし、そこに様々な映像が映し出される。観客はそれを見上げて鑑賞するわけだ。みんな床にねそべっている。その様子もまた作品の一部、「LIFE」の一部なのだろう。水槽スクリーンに溜まった水はときおり波紋を描いたり、ドライアイスをたいているのか、煙を溶かし込んだりしながら様々に変化する。その様子もまた「LIFE」なのだろう。音楽と映像はランダムに選択される。おなじ映像でもBGMが変わるとこうも印象が変わるのか、と驚くが、やがてそれにも慣れてしまい、そのうち眠くなってくる。
mixiの美術館コミュニティに、本作で癒されたという書き込みがあったが、それは違う。むしろ、早くなんとかしなさい、そうしないと手遅れになるよ、と何度もせかされている感じがする。これはアートという形を借りた警告なのだ。