金井美恵子『恋愛太平記』

　ようやく第一部「三寒四温」読了。四姉妹の結婚話だの離婚話だの、要するに色恋にまつわるボヤキだのムカツキだのがだらだらとつづき、そのあまりの平凡さゆえの奇妙さには舌を巻く思いなのだが、それはそうと、この内容で上下巻、延々とつづくのだとしたら、これはまた別の意味でスゴイ作品だ、と思っていたら、第二部は娘たちではなくその母親のボヤキからスタート。この転換のあざやかさには、正直、心がときめいた。

恋愛太平記〈1〉 (集英社文庫)

恋愛太平記〈2〉 (集英社文庫)

ノミ、サーカスへゆく