わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

リービ英雄『千々にくだけて』

 表題作読了。エドワードは母との電話を通じて、義妹アニータの知人二人が9.11でペンタゴンに突っ込んだ航空機に乗っていたことを知る。この事実だけで、今まで当事者でありながらも巻き込まれ方が遠かった故にどこか他人事のようであり、一方的かつ画一的なテロへの怒りを抱き爆発させている市民にも、あっけなくごく普通の生活に戻りはじめた市民にも苛立ちを感じていたエドワードの心の中に、ある種の妙な感情、諦念に近いがそれでいてどこかで人との結びつきを捨てきれない、妙な感情が静かにわき起こっているようにぼくには読めた。

千々にくだけて (講談社文庫)

千々にくだけて (講談社文庫)

星条旗の聞こえない部屋 (講談社文芸文庫)

星条旗の聞こえない部屋 (講談社文芸文庫)

越境の声

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