第十二章「コギーの伝記と憑坐(よりまし)」。「水死小説」の演劇化を断念した「穴居人」主催の穴井マサオが、古義人に「コギー」について質問を重ねる。そして、新たな演劇プランが動きはじめる…。
地味な展開だが、このあとの展開がまったく読めないので期待は募る。そもそも、父の死の記憶/息子との不和/妻の癌/小説の断念…とさまざまな要因(小説を動かす原動力的要素)が複合的に絡み合いながら展開していくのは、今までの大江作品にはあまり見られなかったパターンではないかな。
- 作者: 大江健三郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/12/15
- メディア: ハードカバー
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