わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・哲学・思想の読書日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

高橋源一郎『「悪」と戦う』読了

 文句なし、二十一世紀の源一郎さんの最高傑作。空想的であること、時代を素直に反映すること、夢や希望に満ちていること、悲しさと正面から向き合うこと、そして自分自身の姿を色濃く反映すること。ともすると文学の範疇から大きく逸脱してしまう要素ばかりだけれど、これらを巧みに取り込む、というよりこれらだけで作品を成立させることで、本作は純文学以上に文学的な作品に仕上がってしまった。いわゆるカッコつきの「文学」ではない、もっと根源的な何かが感じられる。それが何かは、きっと読み手によってまったく違った捉え方をされるのだろうなあ。少なくとも、ぼくには奇跡的な作品と読めた。
 源一郎さん、これを超える作品を書くのは大変かもしれないなあ……。

「悪」と戦う

「悪」と戦う

高橋源一郎の作品はこちら。本作を読んだ人は、絶対に『さようなら、ギャングたち』も読むべし。それから『ゴーストバスターズ』も。