ようやく第二部へ。もっとも、本作は半分以上が第一部なのだが。延々と夜のわびしさ、もの悲しさの描写がつづく……と思ったら、衝撃の事実が。時は過ぎ、ラムジー夫人はいつの間にか急逝。
多人称多元描写が複雑に展開されていたが、物語の主軸はラムジー夫人にあった。多元描写により、読者は誰もが頭の中に多面的・立体的にラムジー夫人の像を思い描いていたはず。それが本章になって、見事にブッ壊されたことになる。
灯台へ/サルガッソーの広い海 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-1)
- 作者: ヴァージニア・ウルフ,ジーン・リース,鴻巣友季子,小沢瑞穂
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/01/17
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 40回
- この商品を含むブログ (50件) を見る
- 作者: ヴァージニアウルフ,Virginia Woolf,御輿哲也
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2004/12/16
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 79回
- この商品を含むブログ (69件) を見る
鴻巣友季子の作品はこちら。
池澤夏樹=個人編集 世界文学全集はこちら。