わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

武蔵野市立吉祥寺美術館「うたう色・あそぶ線 山喜多二郎太展」

 猫缶やら猫砂やらを買い出すために出かけた吉祥寺で、入館料100円だからという理由だけで入ってしまった。見たい見たいと思っていたシュールレアリスム展などをことごとく見逃し、何が展示されているかも知らずに、近いからという理由だけで吉祥寺美術館に安易に入ってしまう自分は節操なさすぎだろうか、と考え込んでしまったのだが、いや、そんな考えなんぞ吹っ飛ぶくらいおもしろい展覧だった。水墨画的な手法と西洋画の手法が危ういバランス感覚で同居した墨彩画や油彩画が並ぶ。順路に沿って見ると、最初に並ぶのは明らかに具象画なのだが、いつのまにやら抽象性が増し、ついには、描かれているものの形は失われ、本能的に描かれた線と色彩だけが残される。単体の作品を見るということよりも、その変容を感じることにおもしろさを覚え、何度も順路を行ったり来たりしてしまった。
 併設の萩原英雄記念室の企画展「もの想う女たち-描かれた貴婦人」も、さまざまな女性(と、彼女らに寄り添う動物たち)の姿が楽しめておもしろかった。
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/