元「ユリイカ」「現代思想」の編集者で、現在は評論家として活躍する三浦氏の、身体=舞踊と言葉=詩に関する小品を集めた評論集。
言語の身体性とかいう抽象的だが単純な話ではない。人間という存在の「自己」のなさ言及し、「人間は何にでもなれる」という存在的自由さを、古代からつづくシャーマニズム、祈祷や呪い、詩、絵画、そしてそれらの根源にあると筆者が主張する「舞踊」に求め、自己の確立や社会性の確立を「身体」という視点から論じている。
服とアクセサリーの関係を、服があるからアクセサリーがあるのではなく、本来はアクセサリーが魔除けのために存在し、次に同様の理由から服が生まれ、その服に二次的機能として防寒という要素があることに気づいてから、服とアクセサリーの立場が逆転しはじめた、という考えは興味深かった。ならば流行とは? 定番とは? 服飾にとっての美とは? 価値とは? あれこれ多角的に突っ込みたくなるテーマ。おもぢろいなあ。
実はこの人、一時期「ダンスマガジン」の編集長を務めていた。
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