わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

保坂和志『カフカ式練習帳』

「文藝」だったかな、に連載されていた、断片的な小説、というか、小説になりきれなかった断片集。膨大な数に上る。一つ一つは発展の可能性があるものの途中で放棄された断片でしかないのだが、それが一冊の集合体になると、不思議なことに、完成された小説になってしまう。まるで無関係だった断片たちが、読み手の意志によって、あるいは無意識によって、ムスビつながれ、あるいは断片と断片の間の空白を埋められ、小説世界を構築しはじめる。小説の新たな可能性が感じられる一冊。スゴイです。

カフカ式練習帳

カフカ式練習帳

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