「新潮」八月号掲載。音の記憶についての語りが、いつしか悲愴な記憶の語りへと変質していく。悲しみを引き出したいのではなく、何かを批判したいのでもなく、ただ、語る。そこで語られた言葉と言葉のつながりから、あるいは断絶から、何かを探り、引き出そうとする姿勢。しかしその、引き出したものをどうにかしてやろうという意図があるわけではない。探究のなかに、自然に身を置く。そんな感覚だろうか。
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/07/06
- メディア: 雑誌
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