「群像」9月号掲載。舞城お得意の中坊小説、と思いきや、小学生時代から高校に至るまでの初恋を描いた小説に仕上がっていた。曖昧で自分でもよくわからない、かといって持て余すわけでもない、中途半端に湿った、でも無味無臭な感じのする、そんな初恋。自分が自分が、という意識は妙に強く、相手を思う気持ちはないかもしれない。だが、作品の最後で、少しだけその気持ちが動きはじめる。
「群像」9月号掲載。舞城お得意の中坊小説、と思いきや、小学生時代から高校に至るまでの初恋を描いた小説に仕上がっていた。曖昧で自分でもよくわからない、かといって持て余すわけでもない、中途半端に湿った、でも無味無臭な感じのする、そんな初恋。自分が自分が、という意識は妙に強く、相手を思う気持ちはないかもしれない。だが、作品の最後で、少しだけその気持ちが動きはじめる。