わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・哲学・思想の読書日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

中上健次『異族』

 在日朝鮮人のシムを軸にしつつ、義兄弟のちぎりをかわした三人の道場での日常が語られる。日常といっても衣食住ではなく、道場という場における右翼や暴走族たちとの交流が中心だ。過剰に文学的な表現は意識的にだろうか、排除されているような。かといって、秋幸三部作のような泥臭いリアリズムがあるわけでもなく、『千年の愉楽』や『奇蹟』のような神話性があるわけでもない。『日輪の翼』のような、居場所探しの旅があるわけでもない。

異族―中上健次選集〈2〉 (小学館文庫)

異族―中上健次選集〈2〉 (小学館文庫)

異族

異族

中上健次の作品はこちら。『千年の愉楽』が映画化されるよ。