わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・哲学・思想の読書日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉「雨の裾」読了

「群像」11月号掲載。気づけば、身体を重ねあったばかりの関係である女が、余命いくばくかとなった主人公の母を、主人公以上に献身的に、慣れた手際で世話をする。彼女が献身的になればなるほど、主人公との心の距離は離れていく……。
 複雑かつ玄妙な男女の機微。最近の古井由吉のテーマのようだが、不条理じみた、初期の作品にあるような狂気の片鱗すら感じさせる展開と描写は、一度読むと、さほど視覚的に書かれているわけではないというのに、その映像がなかなか頭から離れなくなる。傑作だと思った。

 


群像 2014年 11月号 [雑誌]

群像 2014年 11月号 [雑誌]

 

 

杳子・妻隠(つまごみ) (新潮文庫)

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辻 (新潮文庫)

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