朝刊で、(尾辻克彦)が他界したことを知った。20代・30代は、彼の若いころのぶっ飛んだ芸術世界に憧れ、超芸術トマソンに関心を抱いて街をさまよい、尾辻克彦名義の小説や、赤瀬川原平名義のエッセイを読みふけっていた。講演会にも行ったことがある。
近年は作品から離れがちだったけれど、関心があったことは間違いないし、何よりもTwitterなどで時折公開される最近書いたと思われるイラストや文字は、筆跡がおぼつかなくてものすごく心配だった。その心配が、最悪のかたちになってしまった。だが、ひょっとしたらもう、原平さんの生涯の仕事量はもう十分すぎるくらいだったのかもしれない。すべて終わらせ、ゆっくり休む時期が来ていたのかもしれない。そう自分に言い聞かせながら、哀しい記事を目で追った。ご冥福をお祈りいたします。