「群像」2015年2月号掲載のエッセイ。年末の衆議院選挙に対する痛烈な批判、かと思いきや、実は内容はもっと深く、選挙の本質である「(自分の代わりとして)他人を選ぶ」ということの重さについて語っている。人を選ぶということは、条件に合致するといった要素的な問題よりも、人間関係の「まみれ」が先にあるなかで選ぶということなのではないか、と著者は考える。それってドブ板じゃん、と思ったが、いや、違う。ドブ板よりも長いスパンで人間同士が(時には複雑に)かかわりあう。それを著者は「まみれ」と言っているのだろう。
あいにく、ぼくには「まみれ」の中で選べるような政治家の知りあいはいない。残念だ。