わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉「冬至まで」読了

 十一月ごろから冬至にかけてまでの季節の移ろいを克明に記しつつ、老いを実感し、時折ではあるが死を感じたり…。それだけの内容なのだが、あまりに重厚すぎて読むのがメチャクチャに厄介だった。そのすさまじく自然体な技巧がおもしろいんだけどね。冬至すぎの夕暮れ時の堤で一人寒さに身を縮めながら母の帰りを待つ子どもの空虚さを描いたラストの美しさと切なさといったら。

 

 

 

群像 2015年 03 月号 [雑誌]

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鐘の渡り

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