わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

「東西狂言の会」

 毎年一回行われる、ちょっと変わった狂言の舞台。西の茂山家と東の和泉流・野村家が協力しあって、狂言をわかりやすく解説した上で、互いの伝統の演目を披露する。協力といっても一つの演目を両家混合でやるわけではなく、合計三つの演目を、茂山家と野村家で分けあって行う。冒頭の説明は我らが狂言サイボーグ、野村萬斎が行う。こういう役回りもとても慣れているようで、毎年会場から爆笑が起こる。それにしても、しびれる声だ。

一)金藤左衛門 茂山千五郎・茂山正邦

 山賊と被害者の女性の立場逆転劇。典型的なコント。山賊のボケを、被害者がツッコむ。ボケ・ツッコミのひな形って、狂言の時代に確立されているのかもしれない。

二)簸屑(ひくず) 野村万作中村修一・深田博治

 主人に石臼で茶を挽いておけと命じられた太郎冠者はそのまま居眠りをしてしまい、次郎冠者にイタズラされてしまい、それが原因でとんでもないことになってしまう。居眠りのくだりはベタな昭和のコントのよう。その後のハチャメチャな展開もとにかく笑える。

三)花折 野村萬斎・石田幸雄・他

 花見の季節。留守番と庭の桜の番を仰せつかった新米僧侶が、庭で花見をさせると入ってきてしまった男たちにベロンベロンに酔わされ、桜をバッキバキに折ってしまうという話。ストーリーはたいしたことないのだが、とにかく所作のおもしろさ、そして酔った勢いで始める舞いのおもしろさ。この二点に尽きる。

 

野村萬斎 What is 狂言?

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狂言サイボーグ (文春文庫)

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