わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

金井美恵子『砂の粒/孤独な場所で 金井美恵子自選短篇集』

「境界線」。夢と現実の境界線。「ぼく」と「わたし」の境界線。現在と過去の境界線。海と岸辺の境界線。生と死の境界線。さまざまな境界線がめまぐるしく登場し、過剰に多弁で難解な文体とともに、読者は境界線のあちらとこちらをただひたすらに漂わせられる。読者の強制的漂流。そんな作品。