「第1章 意味」。こっちもがっつり読んでいるわけではないのだが…。
意味とは何か、というとらえどころのない問いに対し、これを考える契機として、著者は「知性」というキーワードに着目し、被験者に機械と人間の両方とディスプレイ経由で会話させ、どちらが人間かを判断させる「チューリング・テスト」という手法を、そしてこのテストでイイ線いったという人工知能「イライザ」を紹介する。イライザのアルゴリズムは精神分析学を応用したもので、イライザと会話すると、生身の人間の多くは精神科医のカウンセリングを受けているような気分になるらしい。だが、会話から意味を読み取っているのは(会話に意味を与えているのは)人間のほうで、おそらくイライザに意味を理解する能力はない(とは断言できないんだよね…)。
こうした科学的なアプローチから、著者は哲学的命題に取り組む。いやあ、こういうタイプの論考は初めて。本当におもしろいやあ。
科学哲学の冒険―サイエンスの目的と方法をさぐる (NHKブックス)
- 作者: 戸田山和久
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2005/01
- メディア: 単行本
- 購入: 20人 クリック: 134回
- この商品を含むブログ (135件) を見る