わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

戸田山和久『哲学入門』

第2章「機能」。意味、目的、そして機能は、実は似ているという考え方からスタート。なるほど、確かに缶切りという言葉の意味は「カンヅメを開けるための道具」だそ、缶切りの目的は「カンヅメを開けること」、そしてカンヅメの機能も「カンヅメを開けること」。ここで著者は、ミリカンの機能論「起源論的説明」を紹介し、その概要として「機能概念の理論的定義」について説明する。機能の必要十分条件や日常的な概念、モノ同士の因果関係における機能ではなく、ことがらそのものとしての機能、理論の目的のために新しい概念をつくる(というか、発見し、アップデートしつづける)ことで機能を定義づけていく(定義しつづけていく?)、ということのようだ。

 ことがらそのものの終わりなき定義づけ、みたいなことになると唯物論的なアプローチだなあとは思えるのだけれど、モノ自体の本来の機能を定義づけるという考え方自体が、結局はプラトニズム、ロゴス中心主義から抜け出せていないんじゃないのかなあ、なんて考えてみたり…。

 

哲学入門 (ちくま新書)

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科学哲学の冒険―サイエンスの目的と方法をさぐる (NHKブックス)
 

 

 

 

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