わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

奥泉光「ビビビ・ビ・バップ」(最終回)

「群像」2015年12月号掲載。これで、『『吾輩は猫である』殺人事件』からつづくシリーズが無事に完結…となったのだろうか。

 壮大なラストに感動。でもね、これって幻魔大戦じゃん。と思ったのはナイショです。

 何が書かれているかより、どう書かれているかのほうがおもしろい作品。ロボット猫のドルフィーがこの作品の語り手なのだが、にもかかわらず、というか、ロボットであるが故に、というか、作中ではロボットを超えた存在になってしまっているがゆえに、全知全能の神の視点から物語を語っていく。主体の拡大による作中世界の不思議さの増幅。そんな感じ。

 

群像 2015年 12 月号 [雑誌]

群像 2015年 12 月号 [雑誌]

 

 

 

『吾輩は猫である』殺人事件 (新潮文庫)

『吾輩は猫である』殺人事件 (新潮文庫)

 

 

鳥類学者のファンタジア (集英社文庫)

鳥類学者のファンタジア (集英社文庫)

 

 

モーダルな事象―桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活 (文春文庫)

モーダルな事象―桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活 (文春文庫)

 

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