わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

「徹底討論 21世紀の暫定名著 一般書篇」

「群像」2016年1月号掲載。一般書篇は現代思想、哲学、社会学、心理学、それから自然科学なんかも含めている。ま、文学以外ってことなんでしょうね、文芸誌だから。

 まだ少ししか読んでいないのだが、柄谷行人の影響力の大きさを再認識。去年話題になったピケティの『21世紀の資本』も取り上げざるを得ないという感じ。そもそも21世紀という時代は9.11からスタートしたと言っても過言ではなく、それまで資本主義か共産主義かで各国が戦争・対立しその中核に米ソがあったというわかりやすい構図だったものが、20世紀末の共産主義崩壊とあのテロによって構図もクソもあったもんじゃない、強いて言えば大国対テロ組織、イスラム過激派対それ以外(主にキリスト教圏だけどそうとも言い切れないしイスラムの敵がイスラムというややこしい事態も起きている。シーア派とスンニ派とか)という構図に変わってしまった中で、マルクスをはじめとする旧来型の思想が通用しなくなった(マルクスは別の部分で普遍的だと思うけどさ)。こんな時代における思想書の名著っていったいなんだよ? って話がされているのだが、21世紀になって鋭い内容の本が少なくなっているというコメントを何人かがしている。これには共感できるかもしれない。ぼくはそんなに、というかほとんど読んでないけど。ピケティももちろん読めてないし。

 それよりもなによりも、「ほんまでっか」の池田清彦が自然科学の代表者ということで大澤真幸松原隆一郎斉藤環大澤信亮と一緒に語り合っているというのが一番の驚き。やっぱりスゴイ先生なんだねえ。

 

群像 2016年 01 月号 [雑誌]

群像 2016年 01 月号 [雑誌]

 

 

 

21世紀の資本

21世紀の資本