わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・哲学・思想の読書日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

中上健次『熱風』

 主人公が少しずつ、オリエントの康の息子であるタケオから、中本の一統の血と徳川の毒味役の血が半分ずつ流れる毒味男に移行している。書いているうちに、こちらのほうが魅力的に感じたのかも。

 そして『岬』『枯木灘』などで物語の舞台となり、『千年の愉楽』で神話的な世界にまで昇華された「路地」という空間が、本作では地理的にも神話的にも崩壊してしまっている。『日輪の翼』では崩壊から新たな物語がはじまったが、本作では崩壊したという事実が熊野という土地に古い垢みたいにこびりついている。

 

 

千年の愉楽 (河出文庫―BUNGEI Collection)

千年の愉楽 (河出文庫―BUNGEI Collection)

 

 

日輪の翼 (河出文庫)

日輪の翼 (河出文庫)

 

 

 

P+D BOOKS 熱風

P+D BOOKS 熱風

 
中上健次全集〈13〉

中上健次全集〈13〉

 

 

中上健次の作品はこちら。『岬』は特に好きな作品。