わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

大澤真幸「〈世界史〉の哲学 近世篇31 ダミヤンの死/マラーの死」

「群像」2016年9月号掲載。ああ、腰を据えて読む時間がもっと増えますように。

 18世紀ごろまでつづいた、王制を汚す犯罪者や反逆者に対して行われた超残酷な公開処刑は王の政治的身体の延長(その絶対性の提示)であり一種の祝祭として行われたという考察はなかなか興味深いのだが(祝祭性に気づいたのはフーコーらしい)、フランス革命での、マリー・アントワネットなどのギロチン刑およびギロチンの普及を境に祝祭ではなく効率的なだけの処刑へと様変わりした、この部分に近世という時代の終焉を読み取ろうとしている、のかな。処刑の効率化は王の権威の弱体化を示す。

 近世篇はこれにて終了。次から近代編がはじまるのだろうか。10月号は連載お休みだそうです。

 

 大澤真幸の作品はこちら。

 

 

群像 2016年 09 月号 [雑誌]

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<世界史>の哲学 古代篇

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<世界史>の哲学 東洋篇

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<世界史>の哲学 イスラーム篇

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<世界史>の哲学 中世篇

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