表題作、読了。なぜかラスト前に組み込まれている男をダメにしてしまう女のエピソードは、内容だけでなく、その軽妙でテンポのよい文体がおもしろかった。そしてラスト、おかしな迂回エピソードが、突然、いや偶然なのか、「母の実家」というこの短篇の中核をなす存在に、急に収束されていく。この奇妙なスピード感もおもしろい。単調につづいていた作品世界が、突然急カーブを描くような感じ。
表題作、読了。なぜかラスト前に組み込まれている男をダメにしてしまう女のエピソードは、内容だけでなく、その軽妙でテンポのよい文体がおもしろかった。そしてラスト、おかしな迂回エピソードが、突然、いや偶然なのか、「母の実家」というこの短篇の中核をなす存在に、急に収束されていく。この奇妙なスピード感もおもしろい。単調につづいていた作品世界が、突然急カーブを描くような感じ。