わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・哲学・思想の読書日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

大澤真幸「〈世界史〉の哲学」近代編10 終わりなき終わり

「群像」2017年9月号掲載。資本主義以前の社会形態(貨幣、あるいは交換価値そのものが存在しない時代)と、資本主義との本質的な違いを、「労働」のあり方に求めている。より具体的にいえば、その労働は誰のためのものか、という問題。非資本主義(前資本主義って表現したほうがいいのかな)では、労働(ここでは狩猟が主となると考えるとわかりやすい)の目的(食うために捕る)と労働によって得られる対価(食料を得る)、そして誰のためにその価値が消費されるか(自分と家族のため)が固定されているが限定的。一方、資本主義では労働(ここでの労働は工場などでの商品の生産や農作業)の目的と労働の対価(賃金を得ること)が一致せず、さらに労働によって生まれた価値(商品)は不特定多数(市場)に向けられているという点が大きく異なる。だが、この価値の変質だけで資本主義を語ることはできない。ここに「利益の追求と投資による終わりなき成長」という概念を加える必要がある。今回のサブタイトル「終わりなき終わり」とは、まさにこのことだよね。

 

 

群像 2017年 09 月号 [雑誌]

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〈世界史〉の哲学 近世篇

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<世界史>の哲学 古代篇

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<世界史>の哲学 中世篇

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<世界史>の哲学 東洋篇

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<世界史>の哲学 イスラーム篇

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