わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

横尾忠則×磯崎憲一郎「わからない芸術」

「群像」2018年5月号掲載。老画家と脱サラ50代小説家、ふたりの芸術論。内容はタイトルの通り、「わからないことに価値がある」そして「芸術に寓話的解釈は不要」ということに尽き、感動至上主義的な風潮が強まりつつある現代の美術や文学の世界に釘を刺している。そこはもう激しく共感。小説も絵画も、わかるものは面白くない。推理小説を読むのとは違う意味で、ぼくは常に、芸術作品から「問い」を感じつづけていたいから。

 ただ、一方で社会における芸術の役割、芸術の社会参加、のようなことを考えると、答えがたちまち見えなくなってくる。(多様な)美という価値、芸術という存在が、個々の扱うテーマを飛び越えたところで、大きく、あるいは深層的に、社会に働きかける力を持っているということは、絶対に無視できない。しかし、そこを意識した作品は絶対につまらない。あるいは、押しつけがましくて、暑苦しい。

 こういった問いも抱きつづけること。芸術には、そういう役割もあるのかな。

 

 

群像 2018年 05 月号 [雑誌]

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見えるものと観えないもの―横尾忠則対話録 (ちくま文庫)

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言葉を離れる

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鳥獣戯画

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電車道 (新潮文庫)

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往古来今 (文春文庫 い 94-1)

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