わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

姉、なのか

 五時四十分起床。姉と遊んだりウダウダしたりする夢を見たのだが、ぼくには姉がいない。じゃああの女性は誰だったのだろうと、懸命に、脳みそを引っかき回すようにして思い出そうとするのだが、もちろんそんな行為は無駄である。そもそもあの女性にきちんと定まった顔があったかどうかも疑わしい。ざわちんのメイクみたいに変わりつづけていたか、それとも、はなっから顔なんてなかったか。
 身支度と朝食、新聞チェックと順調に済ませ、さて仕事、と思ったところで腹痛に見舞われた。一時間ほど動けず、横になった。その間、まどろみながら夢のようなものをみていた気がする。だが、例の女性は姿を見せない。
 九時過ぎ、復活。
 午後は小石川、そして大崎で打ち合わせ。
 夕食は荻窪ルミネの地下に入っている韓国惣菜店のお弁当。この店、本格的なキンパやチヂミ、キムチやチャプチェを手軽に楽しめるので、とても気に入っている。韓国人っぽいなまりのある年配(といってもたぶんぼくと同世代か少し上)の女性店員がものすごく愛想よかったのだが、今の日韓の状況を気にしているのかもしれない。でも、日常生活においては本当にそんなことは関係ない。
 
 読書は田中和生叙事詩としての近代小説」(「群像」2019年9月号掲載)。副題は「『こころ』『人間失格』『ノルウェイの森』の系譜」。これら三作品、いずれも日本文学トップクラスのベストセラー。『人間失格』と『ノルウェイの森』はそれぞれ1200万部。『こころ』は新潮文庫だけで700万部以上らしい。すごい。本作のタイトルに「叙事詩としての」とあるのは、近代小説は(ヴァルター・ベンヤミンによれば)叙事的な世界から断絶したところで書きつづられているものだが、田中は逆に、ある種の近代小説は叙事的な側面があるのではないか、その「ある種の近代小説」とは、その時代の読者に選ばれた作品、つまりベストセラー、ということになる

 

 

群像 2019年 09 月号 [雑誌]

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あの戦場を越えて ―日本現代文学論

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こころ (新潮文庫)

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人間失格 (角川文庫)

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ノルウェイの森 (講談社文庫)

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