わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

客観で主観を

 五時四十分起床。

 朝から仕事。書斎で延々と某案件のコピーを書きつづけた。それなりにはかどってはいるのだが、ちょこちょことヤフーや新聞社のサイトを除いては、新型コロナのニュースをチェックしてしまう。怖れや自己防衛本能とは少し違う感覚だな、という自覚はある。知っておきたい、状況を把握しておきたいという欲求が強いのだが、ひょっとしたら客観的に知ることによって主観を打ち消そうとしているのかもしれない。まあ、それはそれでアリ、と思う。

 昨日、荻窪ルミネの地下で購入した神楽坂五十番の肉まんで昼食。でかい。

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 昨夜、デンタルフロスをしていたら奥歯の詰め物が取れてしまったのでかかりつけの歯科医に連絡してみたが、今日は混み合っているのでムリと言われてしまった。明日の午後で予約。

 夕方、寝違えの治療のために整骨院へ。今日はかなり空いている。一度家に帰ってコーヒーを飲んでから、今度は税理士の事務所へ届け物。

 夕食はオムレツ、かぶのサラダ、キャベツのスープ。キャベツはサボイキャベツという加熱に適した品種。普通のキャベツが売り切れなので買ってみたが、スープにするととても甘みがあっておいしい。サラダにはできなそうだ。

 

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 読書は大澤真幸「〈世界史〉の哲学 近代篇39 国民の「起源」」(「群像」2020年4月号掲載)。ゲゼルシャフトとしての市民社会にない魅力、求心力を補うためのゲマインシャフトを備えた存在がネーションでありナショナリズムである、という考え方に感銘。

 

群像 2020年 04 月号 [雑誌]

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  • 発売日: 2020/03/06
  • メディア: 雑誌
 

  

〈世界史〉の哲学 近世篇

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  • 作者:大澤 真幸
  • 発売日: 2017/03/22
  • メディア: 単行本
 
<世界史>の哲学 東洋篇

<世界史>の哲学 東洋篇

  • 作者:大澤 真幸
  • 発売日: 2014/01/30
  • メディア: 単行本
 
<世界史>の哲学 中世篇

<世界史>の哲学 中世篇

  • 作者:大澤 真幸
  • 発売日: 2011/09/21
  • メディア: 単行本
 
〈世界史〉の哲学 イスラーム篇

〈世界史〉の哲学 イスラーム篇

 

 

 

 

今日の事件簿

  • 雪解けの朝事件
  • こねくり回しすぎた事件
  • フライング昼食事件
  • a little hard to watch事件
  • またホームの位置が変わった?事件
  • スタバのイスの間隔がググッと空いていた事件
  • 猫付きジャナットのティーバック事件
  • ひたすらスキャン事件
  • 魚河岸揚げにはゴハンがほしい事件

 

 

暖雪、ミシマ

 五時四十分起床。雪。軽く舞う可憐な雪ではなく、三月らしい重く湿った雪。『美味しんぼ』で、モナカの皮の中にブドウ(マスカットだったような。リキュール漬けだったか、シロップ漬けだったか、生のままだったか)をさっと挟んでその場ですぐ食べる、作り置きのできない菓子が出てきたことがあるが、確か名前が「暖雪」、暖かな雪、だった気がする。まさしく、今日のような春の雪だ。そして、春の雪といえば三島由紀夫の「豊饒の海」の第一部を思い出す。

 

▼どの巻に載っているかは忘れた。高校生・大学生の頃は何巻にどんな話があるかを全部覚えてたんだけどね。われながら呆れるw

▼大学生の頃に読んだなあ…。

春の雪 [DVD]

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  • 発売日: 2006/04/28
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 仕事は基本的に休み。最低限の事務処理と資料などの整理だけをした。午前中は掃除に精を出し、午後からは雪の降り具合を気にしつつ、昼寝したり、本を読んだり、Amazonプライムで「スター・トレックピカード」を観たり。「ピカード」は残り3話をすべて観てしまった。人物描写も世界観の描写もすばらしい。

 夜、「日曜美術館」。本編は再放送だった。アートシーンのコーナーは落語家が岡山の美術館を旅する特別編。磯崎新が本館を設計し、荒川修作とマドリン・ギンズ(ギンズのほうは残念ながら知らなかった)がつくった「太陽の部屋」という大きなアート建築がおなじ敷地内に設置されている「奈義町現代美術館」がとても面白かった。ほかにも、「大地」と「月」をテーマにした作品がある。自然との一体感を施設全体のコンセプトにした展開は、その場に行ってみなければ本当の魅力がわからないのだろうなあ。

www.town.nagi.okayama.jp

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鷲田清一「所有について」(2)所有と固有

「群像」2020年4月号掲載。

「所有」とは帰属のことであり「もつ」とは合致しないという問題から、ヨーロッパ系のさまざまな言語の語源や、名詞・形容詞・副詞などへの変化、意味の派生などから、「所有」とは何かを掘り下げている。property《所有〔権〕》という語が、譲渡可能性と言うことを本質的に含む〈所有〉という意味と、譲渡不可能なものを指し示すはずである〈固有〉という意味の両方を持ち合わせている、という分析は面白い。ここから、〈占有〉や〈独占〉、〈排除〉といった行動への発展につながる…のだろうか。リクールという哲学者(知らなかったけど、解釈学、分析哲学、時間論などを展開しているらしい)の「同化」に対する考え方も興味深かった。リクールは、「同化」とは「占有」ではなく、むしろ貪欲で自己愛的な自我の放棄の契機である、と主張している。そして鷲田さんの解釈では、「同化」は「所有権剥奪」のプロセスだという。なるほど。例えば、よくカレーが大好きな人が美味しいカレーを食べると「もう、このカレーを自分にかけてほしい!」なんて冗談を言うことがあるけれど、これは「美味しいカレーを食べる=占有する」という行為ではなく、「カレーと同化する=自我の放棄」ということだね。

 

 

群像 2020年 04 月号 [雑誌]

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  • 発売日: 2020/03/06
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濃霧の中の方向感覚

濃霧の中の方向感覚

  • 作者:鷲田清一
  • 発売日: 2019/02/01
  • メディア: 単行本
 
「待つ」ということ (角川選書)

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  • 作者:鷲田 清一
  • 発売日: 2006/08/31
  • メディア: 単行本
 
リクール読本

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  • 発売日: 2016/07/26
  • メディア: 単行本
 

 

自粛と自然美と

 五時二十分、目が覚めてしまうが二度寝し、四十五分に起床。外出自粛の初日だ。ほぼいつもどおりに身支度し、動物たちの世話をし、メールチェックをし、新聞に目を通す。報道は新型コロナ一色だ。感染力の高さは身体だけでなくメディアにも及んでいる。

 八時、朝ドラ「スカーレット」の最終回を観る。誰も泣かない最終回。前に進むだけ。亡くなった息子も作品を通じて前に進んでいる。朝ドラは「花子とアン」「ひよっこ」が特に気に入っていたのだが、この作品もかなり気に入った。

 九時、寝違えの治療のため整骨院へ。意外に外をうろついている人も治療に来ている人も多くて驚く。みな、不要不急ではないのだろう。帰宅途中に通りかかったスーパーでは外に行列ができていた。その大半がトイレットペーパーのパックを抱えている。買い占めなのか、ストックが切れそうなので朝から並んでいるのか、判然としない。

 帰宅後、掃除。

 午後は仕事。某パンフレット案件の資料整理と構成のツメ。作業中に大雨が降った。十七時、ひとまず終了。

 夜は「スター・トレックピカード」の6話と7話を観た。宇宙船や基地のセットよりも、地球によく似た環境を持つ惑星の自然の美しさに感動した。タルコフスキーの「ストーカー」もそうだったけど、SF的な世界観だからといって美しい自然がマッチしないかというと、そんなことはないんだよなあ。

 

 

追憶

追憶

  • メディア: Prime Video
 
追憶

追憶

  • メディア: Prime Video
 
自叙伝 ジャン=リュック・ピカード
 

 

 

今日の事件簿

  • まだクビ痛い事件
  • 整骨院でかなりラクに事件
  • 黙々とPowerPoint事件
  • パンを買い占める爺さん事件
  • ガード下の八百屋さんはいつもどおり事件
  • がっつり動いています事件

 

 

 

 

スカスカな

 昨日の寝違えが痛んで熟睡できず。それでも、つなぐべきか、しかし、とつなぐべきかはよくわからないが、五時四十分起床。

 新型コロナ騒ぎが過熱化しているようだ。自粛要請、テレワーク推奨、そして買い占め。自宅に引き籠もって作業することが多いので通勤ラッシュの電車の様子など、どうなっているのかはよくわからなかったが、今日の十七時からの打ち合わせの帰りの丸ノ内線、それなりの乗車率にはなるだろう、他人と顔を近づけ体を密着させて乗ることを覚悟していたが、意外にもスカスカ、体が触れあうことはなかった。

 仕事はそれなりに動いている。進行中の案件はいずれもストップすることなく前進しつづけている。ただひたすらに、いいものに仕上げるべく、突き進むだけだ。とはいえ、首が痛いので集中力が持続せず、日中の作業時間は少々苦しんだ。今、この日記を書いていても痛む。うつむくスタイルが負担になるので、読書は少しだけにしておいた。

 

▼話題になっているらしい。ウイルスも寄生生物の一種と考えられる、のかな。 

えげつない!  寄生生物

えげつない! 寄生生物

  • 作者:成田 聡子
  • 発売日: 2020/03/18
  • メディア: 単行本