「日や月や」。空襲から逃げるひとりの女。戦争という極限的状況は、ひとに異常な感覚を、そして異常な力を与える。たとえば炎に対する恐怖は薄れ、いや炎を認識することさえできなくなり、一方で勘は冴え無意識は顕在意識以上の働きを見せ、火事場の馬鹿力…
三時、花子に大騒ぎされる。三十分ほど付き合う。 朝起きたらまず何をしなければならぬのか、その判断もつかぬくらいに脳が停滞している。脳が指令を出さないからか、それとも脳の指令を拒否しているのか、体がまったく動かない。おそらくは夜中の三十分が原…
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