わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2008-03-30から1日間の記事一覧

伊藤比呂美『伊藤ふきげん製作所』読了

詩ばっかり引用しちゃったので、違うタイプの作品も(もっとも、作者は詩人だから「詩つながり」ではあるが)。ということで、読みかけていた本作を一気に読んだ。 敬愛する比呂美ねーさんの育児エッセイ、思春期編。気むずかしい時期を迎えた二人の娘の「む…

鈴木志郎康『やわらかい闇の夢』

志郎康さんの作品、思潮社の現代詩文庫のほかは先日購入した『胡桃ポインタ』だけ(これ、まだ読んでない)。『やわらかい闇の夢』は現代詩文庫に何作か収録されているので読んではいるのだけれど、とある方が「おすすめ」と言ってらっしゃったので、それな…

ローゼ・アウスレンダー/加藤丈雄訳『雨の言葉』

日経新聞に連載されている「詩歌のこだま」で、詩人の小池昌代が紹介していた。記事中で「併合られ」という作品が全文引用されていた。「くみいれられ」と読む。この言語感覚を小池は「読む私の身体が割れたように感じ、頬に静かな爆風を感じた。解釈や分析…

田村隆一『腐敗性物質』

硬質かつ難解で、価値観や時代や自分自身、あるいは愛する者、さらには詩そのもののの死と破滅を強く意識した言葉たちが、鋭く突き刺さってくる。本作が発表されたのは昭和三十一年、戦後の何もかも破壊された後の「再生」が進む状況でこのような言葉が次々…

エビのように/エビ食ってるよ

七時、目が覚めるもぴったりと体を寄せ、エビのように丸まってスピースピーと小さな寝息を立てる花子と離れるのが惜しくて起きられない。そのまま三十分経過。 身支度。カミサンの寝室を覗くと、麦次郎が花子とまったく同じポーズで寝ていた。まあ、猫だから…