わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

石川淳『焼跡のイエス/善財』

「焼跡のイエス」を読みはじめる。闇市に突如現れた薄汚いガキンチョに、語り手である男は聖人の兆しを見つける。 観念的。描写が観念的で、文体も観念的。ただ、内容そのものはさほど観念的というわけではない。焼跡のイエス・善財 (講談社文芸文庫)作者: …

古井由吉「六十五年」

日経新聞夕刊に掲載されている連載エッセイ。今回の総選挙の、改革を強調しているのにすでに行き詰まった感の強い雰囲気(自民党は行き詰まったというよりたどり着けなかった。民主党はマニュフェストの段階で行き詰まりが見えた。それでも政権を取れたのは…

体内時計というよりも腹時計

ここ数カ月、花子の体内時計は狂いっぱなしだ。それは体内時計というよりも腹時計で、要するに数カ月前よりも早めに腹を空かし、朝食をねだる。それが十数分レベルであればかわいいものだが、一時間を超える誤差となって表れているのだから世話が焼ける。四…

福井晴敏『機動戦士ガンダムユニコーン』(6)重力の井戸の底で

暇を見て、ちょこちょこと小刻みに読んでいるのだが、今日はある程度まとめて読めた。大気圏突入後、砂漠に不時着したネオ・ジオン「袖付き」の偽装輸送船《ガランシェール》のキャプテンであるジンネマンは、突入中に回収(というより救助だな)した《ユニ…

限りなく近いが、違う

六時起床。雨だ雨だと散々天気予報に脅されていたが、曇りがちではあるもののスッキリと晴れている感覚がある。風は緩やかだが冷たく、夏の終わりを十分に感じさせてくれた。さっさと身支度を済ませ、散歩に出かける。しかし、歩くごとに雲は厚くなる。涼や…

吉田戦車「伝染るんです。」(1)(2)

今週の「TVブロス」で特集されているのをカミサンが見て懐かしんで、思わず図書館で借りてきた。読み返すのは十数年ぶり。やりたい放題のギャグは何年経っても色あせていない。 吉田戦車の登場は強烈に覚えている。高校生の頃、所属していた陸上部の部室にも…

蹴猫的休日

六時二十分起床。ドウブツの世話して掃除してアイロンかけて昼食とって寝て起きて二時間かけてカレーつくっておやつ食べて散歩して帰ってからカレーの仕上げしてドラマの「こち亀」観ながら食べて食べ終わってから「アド街」観てドウブツの世話してこれらの…

菊地成孔 南博「花と水」

仕事の資料として購入。ミッドタウンのBGMにつくられた模様だが、よくわからん。南さんの静寂ピアノに菊地さんの澄んだなサックスがそっと絡んでゆく。茶室に活けた一輪の花に、汲んできた清水を静かに与えるような、まさにタイトルどおりの音。 どうしてこ…

石川淳『焼跡のイエス/善財』

「マルスの歌」読了。なんじゃこりゃ、という終わり方。召集令状に対する三治のあまりに適当な姿勢。こりゃたしかに当時なら発禁されちゃうんだろうなあ。発禁なんて横暴、許せないことだけどさ。内容は……ちょっとカミュっぽいなと思った。不条理さはこちら…

武蔵野市立吉祥寺美術館「上村淳之展 -唳禽を描く-」

美人画の上村松園の孫、花鳥風月画の上村松篁の子である淳之の展覧会。唳禽とは鳴く鳥のことで、鳥は淳之のライフワークとも言えるテーマ。鳥への愛情溢れる作品ばかり。猫だけでなくトリも好きな当方にとってはヒジョーに刺激的な企画展だった。 近年の作品…

休養日またの名を通院日

ほとんどの作業が昨日で手を離れた。急ぎでやるべきことはない。というわけで、今日は思い切ってオフに。とはいえ、気を抜くわけではない。六時には起き、平日とおなじようにトリと猫の世話をし、掃除をした。もちろん仕事のメールチェックもする。必要なら…

ぷちぷち退院後日記

緊急入院から1ヶ月。死にかけている様子はなかったのだが諸検査の数値上はすでに死んでいる、ってなくらい悪い状態だったが、驚異的な恢復力で入院前の元気さとテンションの高さをすっかり取り戻してしまった。 カミサンが病院に連れて行った。血液検査。肝…

ドンドン、ドドンドンドドドン、

五時三十分に起きたというのに、身支度だのドウブツの世話だのゴミ出しだのしていたら七時三十分になっていた。 仕事。火曜に一山越えたと思っていたが、作業をしているうちに今日が次の山、ということが少しずつわかりはじめ、気がつけばかなりテンパってい…

今日の事件簿

おばさん寝すぎですよ事件 アイデアもみくちゃ事件 水二本事件 風呂で文庫本落としそうになった事件 竹シーツはもういらないかも事件 サンミュージックは早くHPを再公開しなさい事件 生まれて初めてフリスク買ってみた事件 カムイ見たいかも事件天然のひんや…

杉浦 勉『霊と女たち』

今日届いたDMに紹介されていた作品。杉浦勉という人物をよく知らないのだが、どうやらスペイン文学者らしい。ということはスペインの心霊話がテーマなのかな、と思いながらDMのリンクボタンをクリックしてみると、 内容(「BOOK」データベースより) スペイ…

石川淳『焼跡のイエス/善財』

「マルスの歌」。時は戦中。銀座に住む若き主人公と親しくしている帯子という女性の姉、冬子がガス自殺をする。それを看取った亭主の三治のもとに、召集令状が届いてしまう。しかも、通夜の真っ最中に。その翌日、三治は帯子とともに姿を消してしまう……。 作…

くず餅とおはぎ

五時三十分起床。早起きなようだが、昨夜は疲れていたのか猛烈な睡魔やら頭痛やら胃痛やらに襲われてもうメチャクチャな状態だったのでいつもより二時間も早く寝たから、差し引き一時間半くらいは余計に寝ていることになる。頭痛も胃痛も寝たら消えた。もち…

ちょっとアタマが痛いのです

五時五十分起床。晴れ。午前中はカラリとした感じだったものの、午後から急に湿気が強くなった。カミサン、銀座に行っていたのだが雨に降られたそうだ。 午前中は新宿にて打ち合わせ。「太陽のトマト麺」でトマトスープのラーメンを食べてから帰社/帰宅。午…

Mandal-Art for Palm/iMandalart http://www.mandal-art.com/

つい先日、iPhone用のマンダラートが登場。なんと価格は1,500円で、ビジネスソフトとしてはなかなかのヒット作になっている模様。動きが思い切りiPhone OSチックなので操作するだけでおもしろさを感じそう。とはいえ、機能的にはまだまだPalm版に劣る(ファ…

近ごろのPalm Centro/Japon 1.0q

世の中はiPhone一色という感じであるが、ぼくは相変わらずレガシーOSと化してしまったPalmを使いつづけている。 使い込むほどにCentroはいいマシンだと実感している。コンパクトさ、そして成熟した(くさりかけ、と皮肉をいう人もいそうだがw)OSの安定感。 …

小野正嗣『線路と川と母のまじわるところ』

『マイクロバス』は変な作品だが妙に心に残った。これもそうなのかなあ。 ところで。小野さんを中上の延長上とか和製マルクスとか、そういう目で批評するのはもうやめたほうがいいと思う。先入観はよくない。線路と川と母のまじわるところ作者: 小野正嗣出版…

荒川 洋治 , 関川 夏央, 高橋 源一郎 , 平田 オリザ , 加藤 典洋 『ことばの見本帖 (ことばのために)』

こちらは昨日届いたDM。 以前に「高橋 源一郎の『大人にはわからない日本文学史 (ことばのために)』」をチェックされた方に、荒川 洋治の『ことばの見本帖 (ことばのために)』のご案内をお送りしています。 だって。荒川さんだけじゃなくて共著なんですが。 …

手塚治虫『火の鳥 乱世編(下)』

今日届いたDM。他、乱世編(上)、望郷編、復活編も紹介されていた。『火の鳥』読破は基本中の基本。大学1年ですべて読んだ。その後何度も繰り返し読んだ。ぼくが買ったのはハードカバー版(当時は名作漫画のハードカバーがブームだったのだ)だけど、この装…

石川淳『焼跡のイエス/善財』

「山桜」読了。妙にリアリティのある借金話、と思ったら、最後の数行で幽霊譚に早変わり。転換の鮮やかさとギャップの大きさゆえのインパクトの強さに圧倒された。スゲエなあ、いしかわじゅん(と書くと漫画家のほうになっちゃうな)。焼跡のイエス・善財 (…

がんばらないけど、手は抜かない。

五時三十分起床。休みだというのにこんなに早く起きるのは、せめて朝くらい休みらしいことをしたかったからで、朝からせっせと仕事をしようということではないのだが、でも仕事はしなければならないのだから状況は複雑だ。とはいえその複雑な状況をつくりだ…

ぷちぷち退院後日記

体重は正常、態度も変わりなく、むしろハイテンションすぎて困るほどなのだが、なぜか緑便気味。肝臓の不調のサインなので少しドキドキしたが、空腹時にも緑便になる。ちょっと食べたゴハンの量が少なかったのかもしれない。夜になると正常な便に戻った。 明…

石川淳『焼跡のイエス/善財』

まだ読んだことないけど、ものすごーく気になっていた戦後作家の一人。武田泰淳先生と同世代……なのかな。 「山桜」。よくある、金を無心に出かける話。いわゆる私小説っぽいのだけれど、硬質で直線的なのに妙なうねりがある不思議な文体に打ちのめされた。焼…

山本耀司は寡黙な人

山本耀司は寡黙な人だった。だが付き合いにくいわけではない。険しそうな表情ばかりしているが、話しかければそれはたちまち緩む。かすかに微笑んだだけでも、相手に強い印象を与える。そんな人だった。ぼくは、いやあ最近、耀司さんの服は定価で買ってない…

リービ英雄『千々にくだけて』読了

「国民のうた」。散歩中、弟を見捨ててしまおうとした主人公……。そして舞台は現代に戻り、40代となった弟の施設でのクリスマスパーティの場面に移る。家族との断絶と絆が同居した奇妙な空間。そこに響き渡る入居者たちの叫びは、どこに向かっていくのだろう…

明日も浸かりそうな気がする/石川賢が生きていたら

五時四十分起床。二時過ぎから一時間ほどかけておいたエアコンに冷やされたのか、身体が陽の当たらない屋内で管理されていたせいで冷たくなっている金属のように重い。朝風呂で軽くほぐしてみる。湯に浸かっている時間はほんの数分。これでも随分マシになる…