わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

佐伯一麦『誰かがそれを』/青山真治『帰り道が消えた』

どちらも短篇集。「群像」の書評でなかなか高く評価されていた。佐伯さんは大作『ノルゲ』がすさまじかったが、閉塞感が強いのにしっかり抜け道が見つけられるような気がしてくる初期の作品も気に入っている。青山真治という作家は、名前は知っていたけれど…

「陽が落ちてから」という表現

昨日は陽が落ちてから、といっても午前中は雨、午後は降ったり止んだりで常に色味こそ淡いがしっかりした厚さと広さのありそうな雨雲が空を覆い尽くしたままだったのだから陽が落ちたかどうかなど少なくとも視認はできていないわけだが、視認できるできない…

岡田睦「灯」

「群像」三月号掲載。「おかだぼく」という方で、もう八十歳近いご高齢のようだ。1960年に「夏休みの配当」で芥川賞、1998年に「一月十日」で川端賞にノミネートされている(受賞は芥川賞のときは北杜夫 「夜と霧の隅で」、川端賞は村田喜代子「望潮」)。 …

今日の事件簿

●掃除に三時間事件 ●いんちきパンチェッタがなくなった事件 ●タイツ脱いだ事件 ●プレゼント買った事件 ●傘買った事件 ●醤油やパスタも買った事件 ●ピスタチオアイスクリームうまい事件 ●吉祥寺東急がキャッチを微妙にかぶせてた事件

高橋源一郎「日本文学盛衰史 戦後文学篇」(6)twitter上にて

「群像」三月号掲載。twitterの小説っぽさを、無理やり石坂洋次郎を絡めながら。 この作品、前から感じていたのだが文学のニオイはするけど小説のニオイが希薄。言い換えると、小説の外野席、みたいな。でも小説。なぜなら小説は何をしても自由だから。小説…

継続するぬるったさ

六時起床。今朝の空気のぬるったさは昨日以上なのだが朝から風が強く、そのぬるさがひたすらかきまぜられていたのだが、室内にサーキュレーターを設置して空気を循環させたときのようにぬるったさが平準化し温度ムラがなくなる、というようなことはおそらく…

サージカルステンレス

サビなどに強く変化しにくい金属といえばチタン。ぼくはニッケル系の金属アレルギーなので腕時計はチタン製でメーカーが抗アレルギー製品として発売しているものを使っているだけれど、医療用の純度が高いステンレスも変化に強いということで、今後腕時計な…

諸星大二郎『ナンセンスギャグ漫画集・珍の巻』『同・妙の巻』

ネットで予約しちゃった。もう、タイトルだけでヤラれてしまった感じだ。『栞と紙魚子』的な世界観を期待!諸星大二郎 ナンセンスギャグ漫画集・珍の巻作者: 諸星大二郎出版社/メーカー: ジャイブ発売日: 2010/03/06メディア: コミック購入: 1人 クリック: 2…

週刊モーニング

「社長 島耕作」、いかがわしいですねえ。 「ジャイアントキリング」、ちょっと感動。 「クッキングパパ」休載。体調不良だそうだ。心配。 そう言えば、「ラキア」は一体どうなってしまったのだ。設定懲りすぎで収拾つかなくなったか。それとも。社長 島耕作…

結露を楽に拭く/IT用語

ぬるったい空気というのは起きているときに感じると眠気を誘うものだが、寝ているときに感じると逆に、さあ起きなきゃと思わせる効果がある、のかどうかはわからぬが、今日は暖かいという予報通りの朝。六時起床。窓や玄関扉についた結露を拭き取る作業が昨…

保坂和志「未明の闘争」(五)

友だちん家で友だちがいないのにゴハン食べたりお風呂入ったり。 保坂さん、意図的な迷走を書こうとしているのだろうか。今月は特に顕著。群像 2010年 03月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/02/06メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 3回この商…

今日の事件簿

●カワセミ見かけた事件 ●ミックスベリージャムはうまい、それが自家製ならなおさらだよね事件 ●ブロッコリーは工事中事件 ●書くより建てる事件 ●Palm Centroが何度もリセット事件 ●花子がふにゃんふにゃんとうるせー事件 ●麦次郎二度もカケション事件 ●眠い…

土屋昌巳「ESSENCE : THE BEST OF MASAMI TSUCHIYA」/一風堂「ESSENCE : THE BEST OF IPPU-DO」

予約しておいたCDがようやく届いた。一風堂のほうは未発表曲が収録されている。ソロのほうは、特に何もない……のかな。両作品とも、ブックレットに土屋さんの自作解説インタビューが掲載されているのが貴重。ジャパンのラスト・ツアーで「Secret Party」をデ…

保坂和志「未明の闘争」(五)

「群像」三月号掲載。犬。群像 2010年 03月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/02/06メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (14件) を見る季節の記憶 (中公文庫)作者: 保坂和志出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1999/0…

伊藤たかみ「秋田さんの卵」(前篇)

「群像」三月号掲載。ひとまず前半は読み終えた。今のところ、付添婦の秋田さんと卵は別々に登場していて、まったく関連性がない。群像 2010年 03月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/02/06メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 3回この商品を含む…

変わる瞬間

六時五分起床。妙に輪郭も構造もはっきりした、物語のような夢を見た気がする。だがさっぱり思い出せない。起きてしばらくはなんとなくアタマの中に記憶として残っているようなのだが、寝惚けた脳の浅いところをふわふわと漂っている程度なのだろうか、定着…

伊藤たかみ「秋田さんの卵」(前篇)

法改正によりまもなく廃業しなければならない付添婦の熟女・秋田さんについて、そしてそれ以外のことも、あれこれ話ながらグダグダと入院生活を送る、比較的症状の軽い男たち。しかし病院という場所にいるからには、時折偶発的に他者の死に首筋をぬっと撫で…

にゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃんの日

二時半ごろだったと思う。花子に大騒ぎされて目が覚めた。喉が渇いただのシッコが出るだの腹が減っただの退屈だだのとあれこれ要求を突きつけられるのだが、その都度対応するには少々時間が深すぎて、何度も眠気に負けそうになった。朝目覚めてから気づいた…

横浜・馬車道通り「勝烈庵」http://www.katsuretsuan.co.jp/

トンカツの名店。横浜ローカルのテレビ局であるTVKを観ていると、ときどきこの店のCMが流れる。店内はなぜか棟方志功の作品がいっぱい(常連だった?)。ヒレカツを四角くカットしてカラリと揚げた「勝烈定食」は肉の旨味がしっかりと衣の中に閉じ込められて…

横浜美術館「束芋--断面の世代」http://www.yaf.or.jp/yma/jiu/2009/exhibition/tabaimo/

吉田修一の代表作『悪人』の挿絵を担当したアーティストの個展。挿絵の展示のほかは、手書きのドローイングをコンピューターでアニメ化した作品をメインに据えたインスタレーションが中心。不安から生まれたのであろう、他者とのコミュニケーションをできる…

西高東低

六時四十五分起床。晴。ひんやりとした朝の空気に身を縮めながら外に出てみる。澄みながら霞む、と書くと矛盾しているようだがそうとしか表現のしようがない青空を眺めていると、すぐに西高東低という気象用語を思い出す。この気圧配置になれば関東は冬晴れ…

超合金魂 GX-52 ゲッター1 from 真ゲッターロボ

フィギュアを集める趣味はないし1つも持っていないのだが…石川賢大好きニンゲンとして、これはメッチャ気になります。超合金魂 GX-52 ゲッター1 from 真ゲッターロボ出版社/メーカー: バンダイ発売日: 2010/01/30メディア: おもちゃ&ホビー クリック: 22回…

伊藤たかみ「秋田さんの卵」(前篇)

「群像」三月号掲載。まともに読む時間を作れなかったのだけれど…今から十年近く前の、病院の付添婦さんの話らしい。五十手前の秋田美人。熟女小説か?群像 2010年 03月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/02/06メディア: 雑誌購入: 1人 クリック…

今日の事件簿

●ふんづまり事件 ●小麦粉だけでソーダブレッド事件 ●うなぎの旬は冬ですよ正確には初冬事件 ●学生よもっと本を読め文章を書くときカッコつけるな事件 ●川島君は歯が丈夫事件 ●勝俣君はシャケが好き事件 ●半分埋まった桃の木事件 ●エディタ使うよりいきなりWo…

Honeywell(ハネウェル) ターボサーキュレーター ブラック HT-2800-BK

サーキュレーター。オイルヒーターの暖房効率を高めるために購入。書斎でつかっている。部屋の広さは8畳くらい、オイルヒーターはデロンギのもの。 ●たしかに暖房効率は向上。といっても、不使用時よりも1度程度上昇するだけ。ただし、設置位置や空気の当て…

山崎ナオコーラ「昼田とハッコウ」(1)

「群像」三月号からスタートした新連載。舞台は吉祥寺がモデルになっているらしい「忘天寺」という街。この街にあるアロワナ書店という本屋の名ばかり店長をするハッコウ、そして幼いころに両親をなくしハッコウの家に引き取られて育ち、今は六本木ヒルズに…

眠い日

六時起床。昨夜は日付がまだ変わらぬ時間だというのに猛烈な睡魔に襲われ、そのまま行き倒れのように寝てしまった。ならば六時間たっぷり寝たことになるか、というと実は、というか案の定、というか、そうではない。例によって三時半に花子に起こされ、早す…

週刊モーニング

今週は「バガボンド」はナシ。「島耕作」が妖しげな雰囲気の話に突入。「ジャイアント・キリング」は回想終わり。「誰も寝てはならぬ」利休之助の話だったはずが、いつのまにかヤーマダ君のサボリ癖の話になっていた。バガボンド(32) (モーニング KC)作者: …

伊藤比呂美『読み解き「般若心経」』

「読み解き「般若心経」負うた子に教えられ」。カジュアルかつ生活に根ざした感覚から、しかしズキュンと本質をつらぬくような仕方で、わかりやすく般若心経を解説している。読み解き「般若心経」作者: 伊藤比呂美出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2010…

後藤明生『挟み撃ち』

思うところあって、一章目と巻末の蓮見重彦が書いている解説を読んだ。欠落からはじまる迷走文学。悲愴さも不安も(自虐的だけれど)笑い飛ばすことの可能な文体の確立。クソ真面目に自分を見つめれば見つめるほど、思考も行動も笑いにつながってゆく。 ↓ぼ…