わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ヴァージニア・ウルフ/鴻巣友季子訳『灯台へ』

灯台の明かりを観ながらひとり物思いにふけるラムジー夫人が、思考の中でふと感じた幸福感。そしてその幸福そうな姿を見て、ラムジー氏が改めて確認した妻への愛情。普通なら章を変え、視点も変えて展開しそうな内容を、ウルフは大胆に同時進行させてしまう…

コミカルさとわびしさと/紙一重の笑い

六時起床。徐々に気温も湿度も上がっていくのがよくわかった。全身で息苦しさを感じながら、書斎にこもってひたすら仕事をつづける。午後から雨。激しく篠突いている。雨滴がアスファルトや屋根や善福寺川の川面を打つ音、雨樋をつたう水の音、流れた水がど…

週刊モーニング

「社長 島耕作」、内容が「ゴルゴ13」みたいになっていた。社長 島耕作(6) (モーニング KC)作者: 弘兼憲史出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/06/23メディア: コミック購入: 4人 クリック: 14回この商品を含むブログ (9件) を見るゴルゴ13 156 (SPコミック…

RICOH CX3

よく写ると評判のコンパクトデジカメ。1000万画素、光学10.7倍ズーム、広角28mm、F3.5レンズ。仕事で必要になったので、思い切って買ってしまった。使用中(というよりもカミサンが自分の作品を撮影するために使いつづけているのでぼくが使うことはほとんど…

ダンボールの塔/太陽に近い/おにぎり/扇風機

五時五十分起床。目覚めたら花子がいない。どこにいったのだろう。探してみたら、カミサンの仕事用デスクの上に塔のように積まれた小さめのダンボールの頂上のところで香箱を組んでいた。最近のお気に入りの場所らしい。 午前中は外出。なんだこの暑さは。梅…

ヴァージニア・ウルフ/鴻巣友季子訳『灯台へ』

ちょっとねじくれていて利己的な子どもへの愛。 ヴァージニア・ウルフの作品はこちら。 鴻巣友季子の作品はこちら。 池澤夏樹=個人編集 世界文学全集はこちら。

今日の事件簿

Rosso下北沢はシャンプー台がスゲエらしい事件 多奈加亭のドーナツうまい事件 雨かと思ったら晴れてまた雨でまた晴れて事件 まだ咲いている薔薇もある事件 痔が治ってきましたよ事件 容赦なく捨てます事件

ヴァージニア・ウルフ/鴻巣友季子訳『灯台へ』

夫人への、素人画家リリーの憧れ。この作品、登場人物の(些細かもしれぬが)苦悩や悲哀、恥辱、そんなものが次から次へと、駅伝のたすきを渡していくに現れてくるのだが、それらのすべてが、前向きな生き方にどこかでつながっている。作品を人に見せること…

目覚めれば勝利/遠火の強火/また

六時。朝起きたら、日本が勝っていた。テレビはどのチャンネルも、アナウンサーやレポーターがひっくり返った甲高い声で、やった、やった、やりました、と繰り返している。ブルーのユニフォームのシュート場面が繰り返し繰り返し映し出される。見ればよかっ…

ヴァージニア・ウルフ/鴻巣友季子訳『灯台へ』

夫の妻に対する要求、妻の夫に対する想い、あるいは願い。微妙に捻れた関係として描かれているのだが、この微妙さが、二人の心理描写をいっそう深めているような。灯台へ/サルガッソーの広い海 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-1)作者: ヴァージニア・ウ…

都会人と自然人

なぜそんなに何度も何度も起こすのじゃ、と苦情を訴えたくなるくらい、繰り返し繰り返し花子に起こされた。何か要求があるのだろうが、ゴハンちょーだいとお水ちょーだい以外にこれといって思い当たるところがないので苦労する。意思疎通の難しさを痛感。六…

ヴァージニア・ウルフ/鴻巣友季子訳『灯台へ』

暴走気味に広がるラムジーの思考の描写が巧み。意思と記憶とイメージが、同時に、複雑に重層化してゆく。灯台へ/サルガッソーの広い海 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-1)作者: ヴァージニア・ウルフ,ジーン・リース,鴻巣友季子,小沢瑞穂出版社/メーカー:…

静まりの日

六時三十分起床。ここ数週間、日曜の朝は必ず「はやく起きた朝は」を観ている。磯野貴理がもっともおもしろく思える番組。島田紳助にいじられているときよりも数段笑える。 午前中は掃除。午後から西友で買い出しをして、その足で義父母宅へ。桃子が膀胱炎で…

ヴァージニア・ウルフ/鴻巣友季子訳『灯台へ』

睡魔に襲われっぱなしの一日であまり読めなかったのだが……夫婦の確執と尊敬のバランス、みたいな、デリケートなテーマも丁寧に描かれている。灯台へ/サルガッソーの広い海 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-1)作者: ヴァージニア・ウルフ,ジーン・リース,…

小鳥のカーテン/丸井とヨウジとギャルソンと

六時三十分起床。昨日のロルフィングの影響だろうか、起きてからも眠気が強い。外は初夏らしい青空で六月にしては空気もからりとしていて過ごしやすそうだが、今ひとつ、今の自分の眠気とうまくかみ合っていない。この青空のもとで眠気を感じることがちぐは…

ロルフィング・第5回目(寝違えて予定変更!)

本来なら5回目は大腰筋の調整をする予定だったそうだが、ぼくが寝違えちゃってつらい、と言ったら、じゃあ先に6回目にやる予定だった首を、ということになった。どうやら肋骨が動きはじめているらしく、その影響も大きいので順番を入れ替えることにしたのだ…

ヴァージニア・ウルフ/鴻巣友季子訳『灯台へ』

ラムジー家の居場所、家族構成、ダンナの職業、そして夫人のこだわりと悩み、などなど、徐々に明らかになってくる。明らかになることの内容よりも、それを語るために費やす言葉自体の数、そしてそれを語るためにどうしても必要不可欠なさまざまな登場人物の…

ドカドカドカッ、ドカドカドカッ

五時四十五分起床。まだ首は痛む 午前中はドカドカドカッと仕事。午後、ロルフィング通院。三鷹駅前のバスロータリーのそばにある桜並木で、コゲラの群れが桜の木肌をつつきながら、そして小刻みに枝から枝へ、木から木へと飛びうつりながらどこかに移動して…

ヴァージニア・ウルフ/鴻巣友季子訳『灯台へ』

首が痛くてあまり読めず。でも5ページくらいは読んだかな。まあ、早く読めるタイプの作品じゃないのだが。 画家の心境。おもしろかったので引用。長いけど(首痛いけど我慢して打つ)。 色彩の下には形がある。ただ目を向けているときは、すべてがあんなにも…

寝治癒

五時四十五分起床。起き上がった途端に、首に激痛が走った。また寝違えたらしい。ここ最近、体がちまちまと壊れつづけている。寝違えはこの1カ月で二度目、先日まで腱鞘炎が悪化して重たいものが持てない状態、右の足首も軽くではあったが原因不明で痛み、そ…

ヴァージニア・ウルフ/鴻巣友季子訳『灯台へ』

ラムジー夫人はものすごい美熟女、そして、ラムジー氏はどうやら大学教授であることが判明。少しずつ外枠が明確に浮かび上がっていく感覚が、読んでいてとてもおもしろい。もうちょっと集中して読む時間がほしいなあ。灯台へ/サルガッソーの広い海 (池澤夏樹…

噛まれる/壊れる/準備する

熟睡できず。何度も花子に噛まれたからだ。なぜだろう、と六時の目覚ましを止めながら考えた。すぐに答えは出た。ゴハンをあげていなかったからだ。花子の朝食は早い。三時に食べる。夜食と言ってもいいだろう。これを与えなかったから、噛まれた。与え忘れ…

ヴァージニア・ウルフ/鴻巣友季子訳『灯台へ』

ラムジー夫人の一家は翌日に灯台へ遊びに行こうとしている。だが天気は悪そうだ。ただそれだけのことを伝えるために、ウルフはとんでもない量の言葉を費やそうとしている。いやあ、力作です。読んでるほうにもかなりのエネルギー消費を求める作品。灯台へ/サ…

吠える/捻る/うろつく/おかわる

五時四十五分起床。早朝から麦次郎があおーんあおーんと吠えるように鳴いている。猫だから吠えるということはないのだが、鳴くときに発散されている雰囲気が、強烈に吠えている。もっともこれは、敵を威嚇する肉食獣の吠え方ではない。無駄吠えするワンコの…

高樹のぶ子「トモスイ」

「新潮」6月号掲載。第三十六回川端康成文学賞受賞作。ものすごーくエロティックです。新潮 2010年 06月号 [雑誌]出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/05/07メディア: 雑誌 クリック: 10回この商品を含むブログ (8件) を見るショパン奇蹟の一瞬作者: 高樹の…

緊急告知・元ジャパンのミック・カーンのガン闘病を応援してください

mixiやtwitterで話題になっていて、驚いた。ぼくの敬愛する80'sブリティッシュ・ニューウェーブ・バンド「Japan」のベーシストだったMick Karnがガンでかなり過酷な闘病生活をしているのだそうだ。友人のKaoriさんの情報によれば、イギリスは治療費が高いら…

母、日本国籍を捨てる

六時起床。不思議とすっきり目が覚めた。右手首の痛みはかなり引いてきたが、今度は右の足首の外側が痛む。どうなっているんだか。 仕事。某通販事業社企画など。朝からせっせと作業していたら、両親からジャガイモが届いた。送り状を見てみると、荷送り主が…

池澤夏樹=個人編集 世界文学全集『失踪者 カフカ/カッサンドラ ヴォルフ』

興味のあるものだけ、毎月1冊ずつ買おうかな、なんて思いながらポチッた。 カフカは大学生のころにちょっとハマって、当時新潮文庫で出ていた『変身』『城』『審判』を読んだ。スティーブン・バーコフ演出の舞台『変身』も観たのだが、以降カフカ熱はたちま…

バンテリンコーワ サポーター手首用

1500円と少々高価だったが、腱鞘炎は(ここ数年まったくなかったものの)持病の一つなので、いいサポーターを持っていると安心かな、ということで購入。テーピングの理論に基づいて開発されたそうで、たしかに装着してみると、ぎゅっと締めつけつつも筋肉や…

金井美恵子「孤独な場所で、」(ピース・オブ・ケーキ10)

「新潮」6月号掲載。ある思い出について考えていたら、ほかの記憶がふと、というよりも必然的に蘇り、それをたどっているうちに記憶はどんどん脳内で(言葉によって)再構築され、ディテールまで復活してしまう。その細部の一つ一つに宿った時代性/歴史性、…