わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2011-11-06から1日間の記事一覧

大澤真幸『〈世界史〉の哲学』古代篇・中世篇

「群像」で連載されていた、「近代とは何か」をキリスト教の思想をフックにひたすら掘り下げる哲学評論。 大学ではドイツに的を絞ってはいたけれど16世紀以降の哲学思想・文学・芸術の相関的な流れについて勉強していたので、このテーマにはものすごく興味が…

赤瀬川原平『個人美術館の愉しみ』

「個人」をくくりにした美術館の案内書(を装った赤瀬川原平流美術論)。これも今日の朝日新聞書評欄で紹介。「著者に会いたい」で、赤瀬川のインタビューが掲載されている。 たしか「サライ」みたいな中高年向け雑誌に連載されてたんじゃないかな。どこかで…

円城塔『これはペンです』

今日の朝日新聞の書評で、奥泉光が紹介していた。大絶賛って感じだ。ちょいと引用。 本書には小説の謎が疑いもなく匂いたち、物語をただ欲しがるのではない、本格的小説好きの読者であるならば、充満する虚構の香りに魅惑されずにはいられないだろう。小説の…

古井由吉『蜩の声』

表題作。マンションの外壁改修工事の様子から、工事の手も止まった夜中に突然鳴きだした蜩の声をきっかけに、戦中の疎開時にひろった蜩の死骸の放つ臭いニオイの記憶などが芋づる式に引き出されて行く。 喧噪の中で、人は生きる。沈黙は避ける。自ら音を立て…

見ることができない

六時十五分起床。雨が降ったりやんだりを繰り返しているようなのだが、不思議と雨のやんでいるときしか見ることができない。それでいて、ベランダの手すりの水滴の量や、外廊下の片隅にできた水たまりの大きさは、少しずつではあるが増え、大きくなっている…