わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

三浦雅士「孤独の発明」(14)

「人称の磁場」。2章分だけ読んだ。吉本隆明『言語にとって美とはなにか』に対する寺田透の批評から出発し、ふたつの一人称「私」と「わたしたち」の違いについて考察。サールを引用しながら、「わたしたち」は「私」に内包される、という考えを提示している…

田中慎弥「燃える家」(4)

「群像」2月号掲載。夏休み最後の日、海で死体を見つけてしまってから、耳から波の音が消えなくなってしまい、始業式の日に登校拒否をしてしまった小学生・光日古。彼は少しずつ、自分を責めるということを覚えはじめる…。群像 2011年 02月号 [雑誌]出版社/…

山崎ナオコーラ「昼田とハッコウ」(12)

ヒルズ族をやめて書店を手伝うことにした昼田は、自分が競争社会を拒絶しようとしていることに気づく。「動かない」という行動を通じての逃避。群像 2011年 02月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/01/07メディア: 雑誌 クリック: 9回この商品を…

気づけばもう何年も/膀胱炎

雨上がり、千原兄弟、鶴瓶、柳原、そしてなぜか八代亜紀。芸能人てんこ盛りの夢で目が覚めた。彼らと何をしたかはよく覚えていない。四時。軽く猫の世話をし、もう一度寝る。六時三十分、きちんと起床。 八時過ぎ、「仮面ライダーオーズ」を少しだけ見ながら…

多和田葉子「雲をつかむ話」(2)

「群像」2月号掲載。盗みグセのある十一歳の少年とその父との出会い。そして、おなじく十一歳くらいの、異様なまでに口の悪い少年との出会い。主人公の生活のなかに、小さな、本当はそう呼びたくないような「悪」が、ちまちまと現れる。しかしそれらはすべて…

占拠する鳥たち

六時起床。曇天。相変わらずの冷え込み方だ、と感じているのは、冬の朝の寒さにようやく体が慣れてきたからか、それとも毎朝のわずかな寒さの変化をうまく感じ取ることができなくなっているからか。一通り身支度と動物の世話を終わらせたところで外に出てみ…

岡田利規「距離、必需品」読了

「群像」2月号掲載。ヨーロッパツアー(ドサ回りですな)から戻ったコンテンポラリー・ダンサーの男性の時差ボケを、冷静に観察し描写する同棲相手の女性。ところがこの女性は時差ボケではないから、男の横で眠っている。眠っているのに、事細かに男の様子を…

不思議な生命力に満ちた動物

六時起床。冷え込みは厳しく氷のようになった床から不自然な冷たさが鋭く伝わってくるというのに、どういうわけか窓の結露は少なめで、部屋のなかの空気も不思議と丸みを帯びたような、という表現が適切かどうかはわからぬが、ともかく床の鋭い冷えとは対称…

週刊モーニング

「島耕作」、切なすぎる。 「GIANT KILLING」、戦略性の高さについて行けなくなりそう。社長 島耕作(7) (モーニング KC)作者: 弘兼憲史出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/10/22メディア: コミック購入: 2人 クリック: 18回この商品を含むブログ (9件) を…

警備員に体当たりをしていた

六時起床。珍しく、比較的すっきりと起きることができたのだが、それでも夜中に二度ほど花子に起こされいる。一度目はそのまま三十分ほどゴハンを食べたり遊んだりトイレに行ったり水を飲んだりと、猫らしい気まぐれな一連の行動のほとんどに付き合ってあげ…

MacBook Air 11インチ欲しい!

バネ秤

皮下輸液を行うときは、液が早く身体に入るようにするために、輸液バッグに外側から圧力をかけて一気に流し込むようにする。その際、わが家では加圧バッグと呼ばれる道具を使っているのだが、これを使うと輸液バッグに印刷されている容量のメモリが完全に見…

岡田利規「距離、必需品」

おなじく「群像」2月号掲載。コンテンポラリー・ダンサーの男とフツーの女性との同棲生活。今のところ大きな事件などは描かれていないというのに、なぜか妙に引き込まれる作品。群像 2011年 02月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/01/07メディア…

古井由吉「時雨のように」読了

「群像」2月号掲載。古井さんにしてはめずらしく会話が多い。そして、妙に騒々しい。群像 2011年 02月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/01/07メディア: 雑誌 クリック: 9回この商品を含むブログ (22件) を見る古井由吉の作品はこちら。

悪さとは元気の別名だ

五時四十分、一度起床するも寒気に負け、二度寝(正確には猫に二度ほど起こされているので四度寝)。六時起床。 麦次郎、絶好調。朝からリビングをうろついたり、カーペットでツメを研いだり。カーペットでのツメ研ぎはやめてほしいが、悪さをするだけの元気…

古井由吉「時雨のように」

「群像」2月号掲載。雨音の聞こえるなか、暗闇に浮かぶ顔を互いに見合わせ、過去を話しつづける男と女…。群像 2011年 02月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/01/07メディア: 雑誌 クリック: 9回この商品を含むブログ (22件) を見る古井由吉の作…

ドラマティックな子

五時四十分起床。麦次郎、下痢5回。活性炭を原料にした、ネフガードという体内の不要物を吸着させ便といっしょに排出させる薬を飲ませているせいだが、そのせいだろう、便がコールタールのように真っ黒で驚く。様子を見ていると、下痢の腹痛に苦しめられて、…

必ず通らねばならぬ道

ドアの向こう側で麦次郎がカミサンから小分けでゴハンをもらっていることに気づいているのか、それとも。理由はわからないが、最近の花子は夜、寝ない。頻繁に起きては大騒ぎする。夕べは一時半から三時過ぎまで延々とやられた。次は五時半。なだめてもなだ…

富岡多恵子『遠い空』

「犬の耳」読了。セクハラだな、こりゃ。遠い空 (中公文庫)作者: 富岡多恵子出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1985/12/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (11件) を見る富岡多恵子の作品はこちら。

池の氷

六時三十分起床。その前からたびたび起きては麦次郎の様子をうかがっている。気持ちよさそうに寝ている。食欲もある程度は恢復しているようで、勧められたゴハンはおいしそうなら食べる。尿もしっかり出ている。ひとまず大きな山は越えた、と思っていいのか…

不思議な患畜

六時起床。麦次郎、カーペットの上にだらりと横たわったまま、あまり動かない。カミサンの話では水はほとんど飲んでおらず、ゴハンもわずかしか食べていない。調子悪いのか、と思うが、表情はしっかりしていて気持ち悪そうではない。八時ごろ、病院に連れて…

富岡多恵子『遠い空』

「末黒野」読了。常識も道徳も勤労意識も、何もかも通用しない一人の男が子を、そして親を殺すまで。世界が彼にそうさせたのではない。おそらくはすべてが彼の意志。殺すとはどういうことなのかを、奇妙な切り口から描いた傑作。遠い空 (中公文庫)作者: 富岡…

生きる意志

六時起床。今年一番の冷え込みになりそう、と散々天気予報に脅されていたのでしっかり対策をしておいたせいだろうか、寒さで起きられないということはなかった。いや、猫たちの様子が気になっているので寒さどころではない、というのが本当のところなのかも…

富岡多恵子『遠い空』

「峠のわが家」読了。すべての設定が「どうして?」と感じさせる奇妙な作品。内容は明快で非常におもしろいのだが、そのおもしろさの秘密をさぐろうとすると、すぐにわけがわからなくなる。なぜおもしろいのかも、作者の狙いも、何もかもわからない。遠い空 …

悪くはなかったが、よくもない

五時四十分起床。まだ外は暗い。 八時過ぎ、カミサンが麦次郎を連れて動物病院へ。見送ってからぼくも外出。昨夜、ミックの訃報のことばかり考えながらもせっせとプリントし製本した企画書を抱え、都内某所へ。某クライアントにて某案件のプレゼン。一時間の…

訃報 ミック・カーン

ガンで闘病中だった元ジャパンのベーシスト、ミック・カーンが永眠されました。ミック、すばらしい音楽をありがとう。あなたの音楽への姿勢や感性に、とても共感していました。あなたとデヴィッド・シルヴィアンがいなかったら、そしてあなたたちの音楽に出…

富岡多恵子『遠い空』

表題作、読了。タブー要素をこれでもか、と言わんばかりに作品世界にブチ込みブチ込み、とんでもない完成度に仕上げている。性=生の原動力、その暗い部分に秘められた、生を否定する恐ろしい力…。 「話すことはない」読了。うん。本当に話すことはないです…

冴えているのか眠いのか

六時起床。ただ濃淡ばかりが目に付く、まったく途切れ目のない灰色の雲が、時間が経ち陽が昇るにつれて、少しずつ拭われるように消えていく。いつの間にか、かすれた冬の青空ばかりが広がっていた。外に立ち、漠と眺めていると、アタマは徐々に冴えてくるの…

富岡多恵子『遠い空』

昭和五十年代に発表された短篇集。表題作を読んだ。まったく正月に似つかわしくない内容…。遠い空 (中公文庫)作者: 富岡多恵子出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1985/12/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (11件) を見る富岡多恵子の作品はこちら。

無理もないこと

六時起床。妙に冷え込みが厳しい。窓からだけでなく、床下からも冷気が伝わってくる。花子が布団の上で寒そうに身体を丸めて眠っていた。 カミサンが麦次郎を連れて病院へ。麦次郎、昨日はおそらく不調だと感じていなかったのだろう。そして輸液は具合が悪い…