わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ブレット・ロット/岸本佐知子訳「家族」

「群像」十月号掲載。分裂する家族、他人化する家族。反発する家族、理解しあえない家族。わかってはいても、つい団欒を夢見てしまう。それもまた家族。群像 2012年 10月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/09/07メディア: 雑誌 クリック: 3回こ…

掠奪猫/祖母の呼び方

猫は人の道具を奪う。奪って自分のものにする。だが、飽きればすぐに返してくれる。だから奪われたのではなく借用されたと解釈すべきなのではあるが、どういうわけか、奪われた、取られた、ひどい、返せ、と文句を言いたくなってしまう。もちろん本心からで…

♪夏は股間が痒くなる

素敵なエピソード。出典は「TVブロス」です。

藤谷治「鷗よ、語れ」読了

ひっさびさに、テーマの明快な小説を読んだ気がする。震災後という1つの時代において、あるいはその時代を超越して普遍的に、文学はどうあるべきか、何を語るべきなのか、という問いに対する藤谷氏なりの回答がある。それが如実に表れているのが、太宰につい…

力尽きても飯喰えば直る/牛肉二連チャン

六時四十五分、朦朧としながら起床。完全に気が緩んでいる。 雨という予報だから昨日走っておいたんだよな、と思いつつカーテンを開け窓を開けると、曇りがちなので辛うじて、という程度の、ではあるが青空が広がっている。ならば、と身支度ドウブツの世話と…

David Sylvian & Robert Fripp「The First Day」

最近、なんだかわからんが気づくとアタマのなかで「Firepower」後半のロングトーンのギターソロがずーっと鳴り響いている。ま、たしかに名演ではあるのだが。First Dayアーティスト: Sylvian,Fripp出版社/メーカー: Emd Int'l発売日: 1993/07/05メディア: CD…

Sonny Clark「Cool Struttin'」

ベタなジャズの入門的名盤だけど、ときどき無性に聞きたくなる。なんでだろ。Cool Struttinアーティスト: Sonny Clark出版社/メーカー: Blue Note Records発売日: 1999/04/07メディア: CD購入: 9人 クリック: 68回この商品を含むブログ (59件) を見るSonny C…

藤谷治「鷗よ、語れ」

近所の要介護状態らしい男との係わり、大震災の片付けボランティア、そして三鷹での太宰治講座。太宰へのねじくれた愛情が面白い。太宰なんて関心ないよ、と言っておいて、いざ読んでみるとその凄まじさに感激し圧倒されてしまうのだが、そこを素直に認めな…

白い花と白い体

六時四十分、猫にギーギーと騒がれ起床。トイレだ身支度だとうろついていると、その都度ついてきて踏まれそうになっている。何か訴えたいことがあるらしい。もしや、と気づいてゴハン入れを見ていると、朝昼晩の三度の飯以外に常備しているカリカリことドラ…

今日の事件簿

ミネラルウォーターをもらった事件 もう9月中旬なのに2012年版の手帳をもらった事件 金融庁事件 カレー食べすぎた事件 また断った事件 振りだしですよ事件 まだまだ事件

Thelonious Monk「Misteroso」

ちょっとラテンっぽいムードもあるんだよね……。Misteriosoアーティスト: Thelonious Monk出版社/メーカー: Ojc発売日: 1991/07/01メディア: CD購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (10件) を見る

藤谷治「鷗よ、語れ」

「新潮」10月号掲載。この作家のこと、まったく知らない。だが、書き出しを読んで魅了されてしまった。よくわからないままに、読んでみる。書き出しの一部を引用。 人はだれでも、自分の手でしか触れることはできない。自分の目でしか見えない。自分の耳でし…

長い夏

六時、寝坊したわけではないのだが、緩慢な目覚め。まだなお続く残暑の厳しさが目覚めをもたつかせているのか。それとも生まれ持っての怠惰さが、じわりじわりと眠りや目覚めに染み出してきたか。 打ち合わせの予定が昨日に変更になったので、今日は書斎に籠…

ジャミール・アフマード/池辺晴彦訳「母の罪」

「新潮」十月号掲載。著者は元パキスタンの公務員で、パキスタン/イラン/アフガンの国境地帯に勤務したこともあるらしい。本作の舞台はこのエリア。いつの時代なのかはわからないが、第一次大戦後であることはたしからしい。不貞を犯した女が男とともに砂…

肌にトンコツ

六時起床。窓を開けると秋風の気配を感じるのだが、身支度だのゴミ出しだのドウブツの世話だのと慌ただしく動き回っているうちに、夏の南風に変わってしまっている。雲のかたちも明らかに夏のものだ。額と背中から汗が噴き出す。体の反応も夏のものだ。だが…

今日の事件簿

何度も起こすな事件 説明がない事件 説明が長い事件 ずつう事件 口臭い事件 せんだみつお事件 一発屋で固めればいいと思う事件 うれしいけど高いよ事件

中上健次『異族』

空手道場が右翼化していく。偶像としての天皇。傀儡的な崇拝対象。異族―中上健次選集〈2〉 (小学館文庫)作者: 中上健次出版社/メーカー: 小学館発売日: 1998/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (8件) を見る異族作者: 中上健次出…

絲山秋子「ニイタカヤマノボレ」

「新潮」10月号掲載。アスペルガー症候群を題材に、世界の破滅を予感させるような、壮大な深さのある短篇。しかしどんなにバックグラウンドが壮大だろうと、すべては個人の問題となる。世界とどう向き合うか。それだけなのだ。アスペルガーだろうが健常だろ…

高橋みなみと峯岸みなみともう一人

高校生のぼくが、AKB48の高橋みなみと峯岸みなみの二人と遊んでいる。遊ぶというよりは、勉強のことだの部活のことだの、高校生らしいことを、たいして笑いもせず、怒りも悲しみも呆れたりもせず、それでてい夢中になって、話し込んでいる。どうやら二人は後…

古井由吉「明日の空」読了

古井さんにしてはめずらしく、希望にあふれる終わり方。読後に広がるのは、タイトル通り「明日の空」だ。絶望というのではない。悲しみというのでもない。ただ何か、決して喜ばしくはない何かに、かすかに翻弄されながら、そして自分の意志をゆらゆらとゆら…

両立

六時四十分起床。昨日走った、いや走りすぎたので今日はランニングはお休み、と決め込んでいたのだが、真夏のきつい表情が抜けた涼やかな九月の青空を眺めていると、無性に走りたくなる。気を逸らすため、というわけではないが、午前中は掃除に精を出した。…

中上健次『異族』

血をすすりあった義兄弟、在日韓国人のシムの殺人と逃亡劇。団結する暴走族あがりの右翼たち。社会に溶け込めず、かといって社会を動かすわけでもないのに、行動ばかりが先走る若者たち…。異族―中上健次選集〈2〉 (小学館文庫)作者: 中上健次出版社/メーカー…

古井由吉「明日の空」

「新潮」十月号掲載。旧友との会話の記憶、そして不眠症。微睡みのなかで見る夢に、死んだ友が現れる。口から漏れる言葉が、聞こえる言葉が、この世ならざるもののように発せられ、聞こえてくる。自分の中心が失われるような感覚。これが老いるということな…

境界線

六時四十分起床。曇天。コーンフレークが食べたくなり近所のコンビニに走った。在庫はあったのだが、袋ががさがさしそうなので買うのをやめた。硬めのビニール袋のガサガサという音で、麦次郎がてんかんを起こしてしまうことがあるからだ。わが家は最近、ビ…

今日の事件簿

電話→電話→電話事件 やわやわダンボール事件 ちゃんと引き継げ事件 うどん→そば事件 ピザと唐揚げ事件 「群像」「新潮」買った事件 「ガラスの仮面」予約した事件 「ぼおるぺん古事記」予約した事件 群像 2012年 10月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日…

週刊モーニング

「グラゼニ」、人事も野球という物語を面白くする要素の一つ、ということなんだろうなあ。 「カレチ」、ステキなラブストーリー。恋にかける鉄男。 「ライスショルダー」、出たぞブーメラン・フック。グラゼニ(7) (モーニング KC)作者: アダチケイジ,森高夕…

ロングトーン

五時五十分、尿意で目覚める。ロバート・フリップのギターソロのような、ロングトーンのおしっこ。 日中はただひたすらに仕事。今週に入ってからはかなり落ち着いてきたのだが、気を抜いていたら新規の依頼が二件。ありがたいが、また忙しい日々が始まる。No…

中上健次『異族』

協調と憎み合いが、尊敬する気持ちとコケにする気持ちが、複雑に入りみだりはじめた。人間関係が面のようになっている。中上作品って、ある個人の内面がさまざまな出来事を通じてどんどん落ちていく、点のような感覚があったんだけどな。本作は違う。異族―中…

サギの生態

六時起床。室内には暑さが籠もるが、外は涼しく秋めいている。善福寺川にコサギ、チュウサギ、アオサギがまとまってうろついているのを見かけた。朝の捕食なのだろう。じっと水のなかを見つめては、一歩二歩と長くて折れそうに細い足で移動し、また水のなか…

中上健次『異族』

一気にチャラくなった。だが、やはり中上だ…。異族―中上健次選集〈2〉 (小学館文庫)作者: 中上健次出版社/メーカー: 小学館発売日: 1998/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (8件) を見る異族作者: 中上健次出版社/メーカー: 講談…