「群像」2017年3月号掲載。 日本文学、そして日本語の底流に仏教があるのでは、という考えから、仏教学者たちの思想に踏み込みはじめているのだが、リルケの思想が芭蕉や本居宣長に通じている、と主張する井筒俊彦という仏教学者の『意識と本質』という作品…
五時四十五分起床。無彩色な朝。時間が経つに連れて少しずつ光を帯び、青に染まる。だがコジコジはいつも以上に機嫌を損ねている。もっとも、怒り狂うのは腹を空かしている一瞬だけで、満たされればすぐにいつものコジコジに戻る。麦次郎は朝から外に出せと…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。