わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

エッセイ

ウンコと読書とテイクアウトと

五時四十分起床。 九時、妻が動物病院に電話。まだ少し軟便が出る葵の治療をどうするか、相談。昨夜に採ることができた便を持って病院に来てほしいとのこと。午前中のうちに自転車で行ってもらった。そのあいだ、ぼくは念入りに掃除。便を検査したところ悪い…

斎藤倫「ポエトリー・ドッグス」(2)

「群像」2021年3月号掲載。2月号から連載スタートした詩についてのエッセイ。でも、読んでみると限りなく小説。語り手の男がバーで酒を飲むのだが、このバーのマスターは犬。そして、出してくれるおつまみは詩。ちょっと高橋源一郎っぽいなと思った。連載第1…

瀬戸内寂聴「その日まで」(19)

「群像」2021年2月号掲載のエッセイ。三島由紀夫との思い出。寂聴がミシマとデビュー前から親交があったのは知らなかった。ボディビルに目覚めてから自決までの大きな変遷を複雑な思いで見つめていたのがよくわかる…。寂聴さん、数えで今年100歳だそうです。…

垂れ下がり/ふてぶてしい

五時四十分起床。今朝は日差しが弱く雲は厚く、秋の虫の音もいつもより遠く、そしていつの間にか蝉の声は途絶えていて、季節が袋小路に迷いこんだか、などとつい擬人化して考えてしまう。身支度をするにつれ家のなかは微かに気温が上がり、湿度も上がり、夏…

瀬戸内寂聴「その日まで」(16)

「群像」2020年5月号掲載。 前号は未掲載だったので、また体調を崩されたなと心配していたのだが、どうやら「新潮」と「群像」が話し合って、九十八歳の作家が文芸誌に連載二本は大変だろうから、交互に掲載していただくようにしようと話し合われたそうだ。…

瀬戸内寂聴「その日まで」(15)

「群像」2020年2月号掲載のエッセイ。この連載では過去に交流がありすでに他界している作家との思い出が中心になっていたが、今回は家族との記憶、そしてフェミニズムについて述べている。 群像 2020年 02 月号 [雑誌] 作者: 出版社/メーカー: 講談社 発売日…

鉛雲

五時三十五分起床。葵が、夜が明ける前から窓を開けろとうるさい。猫だから多少は見えるのだろう。 曇天。空の色だけなら二月、鉛色の雲。 外出の予定がないので、終日書斎で仕事。某生活家電メーカーパンフレット、某金融機関広報誌、某美容メーカーカタロ…

ずれる眠り

五時四十五分起床。生活のリズムがルーズになるとたちまち仕事にもボロが出るので可能なかぎり同じ時間に起きて同じ時間に腹を満たし、という生活を続けるようにしているのだが、目覚めの時間だけは、アラームを設定した時刻よりも必ず五分、十分、ひどいと…

煮こごりに

五時四十五分起床。雨。即位の礼。祝日だが、だからこそ集中して仕事をしようと決めていたので雨降りであることがあまり気にならない。だが雨音の強さは気になり、さらにはもう一つの台風の影響のほうにまで気持ちが及びはじめる。だがひとたび作業をはじめ…

本体はまだだ

六時起床。今日は健診でバリウム検査があるから朝食はもちろん水も飲めない。たった一食、食べることができないだけで、ここまでサミシイ気持ちになるのか、と心の動き、ぶれの不思議さを感じつつ、身支度、掃除。 九時三十分、妻と高円寺の河北健診クリニッ…

恵比寿へ

五時四十五分起床。少しのどが痛い。熱を計ったら37度。微熱と言えるほどでもないがいつもよりはわずかに高い。ほったらかしたら発熱するのかな、と思いつつ、いつも通りに身支度を進め、念のため、と朝食の後に薬を飲んだ。 午後、外出。丸ノ内線で屈強そう…

ハリボテ

六時起床。雨。強く弱くと雨足を変えながらだらだらと降っているようだが、昼前には止み、かすかにではあるが北や東に青空がのぞきはじめた。しかし西はまだ雲が厚い。掃除。 夏の残りの素麺をトマトジュース、めんつゆ、オリーブオイルのたれで食べた。玉ね…

暑さをひきずる

五時四十分起床。夏は過ぎ、日中こそ真夏並みの気温になることはあるものの朝晩は過ごしやすくなったと挨拶代わりに口にすることが多くなってきているというのに、どういうわけか、夜中に暑さで目を覚ますことが多い。多いというよりも、連夜つづいている。…

それでもなんとか

五時四十分起床。今日から十月だというのに寝汗がひどい。 仕事。昨日、今日とやたらに慌ただしく、脳みそを一時停止させるタイミングがほとんどない。数は多くないのだが、複数の案件を、それぞれの状況に応じてとっかえひっかえ作業し続けた。 日が暮れて…

軽めな、そこそこ軽めな

六時起床。 午前中はひたすら掃除。午後は仕事と読書。尾崎真理子「預言者としての大江」(大江の先進性を改めて感じた)、ブレイディみかこ「ブロークン・ブリテンに聞け」(髪形は大切ですよ、政治家も)、佐々木敦「全体論と有限」(ゴダール、映像、そし…

膀胱炎

五時四十五分起床。今日も暑かった。九月に二日連続で猛暑日になるのは二十七年ぶりとテレビのニュース番組で言っていたが、二十七年前にそんなことがあったなんて、さっぱり思いだせない。いや、「九月に二日連続の」ではなく「九月に二日間の」だったか。…

出せない、出てくる

五時四十分起床。朝風呂を浴びる。空は曇りがちでそのせいか湿度は高く、気温は先週の猛暑ほどではないというのに、厳しい暑さという言葉をつい思い浮かべてしまう。 振替休日、世間は夏休みのようだが、仕事。某案件の構成とコピー。どこからもメールや電話…

三度寝る

五時四十五分起床。夜の深い時間に一雨降ったようだが、まったく気づかず。一日中雨雲は近くをうろついていたのか、それともまったく動かなかったのか、動いてはいたがあまりに大きかったのか、空の色は一日中変わらず、雨も軽くぱらついたり止んだりを繰り…

瀬戸内寂聴「その日まで」(6)

「群像」2019年2月号掲載。 九十四歳の染色家で人間国宝の志村ふくみ、そして石牟礼道子との交友。彼女たちの家族と接することで、かつて家族を捨てたことに対する想いが去来していく。 この作品はエッセイだからほぼ事実なのだと思うが、寂聴さん、また転ん…

瀬戸内寂聴「その日まで」(4)

「群像」2018年11月号掲載の連載エッセイ。 今年の酷暑を乗り切った寂聴さん、なんとEXILEのコンサートに行っている。ご高齢、そして車椅子だというのに。すごいエネルギー。ホントのことかはわからないけど、エッセイとして書いているようだから、おそらく…

パスワードの闇

五時四十五分起床。曇天。しかし気づかぬうちに本格的な雨。塩害による電車のトラブルが気になっている。災害対策について考えるべき項目がどんどん増えていくってことだな。 仕事が谷間になっている。ビジネス書を読んでお勉強しておくつもりだったのだが、…

腱鞘炎と反知性主義

五時四十五分、セットしておいたアラームより先に手の痛みで目覚めた。こりゃ、やべえ。八時半、信頼している接骨院に「腱鞘炎っぽいのだけれど、見ていただけるか」と電話してみると、すぐ来なさい、とのこと。早朝にも関わらず灼熱と化していたが、そんな…

起きるまでルール

気づけば夕べも葵が添い寝していた。花子は寝入りっぱなの数分から十数分しか一緒にいなかったようだが、葵はいつまでも寝ているらしい。で、こちらが気づくといなくなる。恥ずかしいのか、「起きるまでルール」のようなものがあるのか。 ▼再掲。添い寝中じ…

猫がいなくて

五時四十五分起床。肌寒い朝。 たとえ一泊二日でも預かった保護猫たちがいなくなったことで、はやりの表現を使えば猫ロス、という状況になるのかと思ったがまったくそんなことはなく、いつも通りの朝。あの子たちのために購入し組み立てたものの、まだ片付け…

金井美恵子『新・目白雑録』

エアロバイク中にちまちまと読んでいる。冒頭ではDJポリスの話を、なぜ日本語では「おまわりさん」など職業に「さん」をつけるのかという問題を延々と。そして今日読んだあたりは佐村河内騒動。松本清張の『砂の器』を引合に出していた。 新・目白雑録 作者:…

金井美恵子「小さな女の子のいっぱいになった膀胱について」

「群像」2016年1月号掲載の、金井美恵子の特別寄稿文。 金井さんが気まぐれでふと読みはじめた藤枝静男著作集第一巻目に収録されている「志賀直哉・天皇・中野重治」に登場している園池公到(そのいけきんゆき)が、銀座線で偶然出会った将校の四、五歳くら…

『金井美恵子エッセイコレクション3 猫、そのほかの動物』

猫エッセイの章、ずいぶん時間がかかったけど読了。ちまっちま読んでたからなあ。緻密な観察力と時折見せる猫馬鹿っぷりに感銘。いや、共感って感じかな。 猫、そのほかの動物 (金井美恵子エッセイ・コレクション[1964−2013] 2 (全4巻)) 作者: 金井美恵子,金…

鷲田清一「ひとを「選ぶ」?」

「群像」2015年2月号掲載のエッセイ。年末の衆議院選挙に対する痛烈な批判、かと思いきや、実は内容はもっと深く、選挙の本質である「(自分の代わりとして)他人を選ぶ」ということの重さについて語っている。人を選ぶということは、条件に合致するといった…

赤瀬川原平、逝く

朝刊で、(尾辻克彦)が他界したことを知った。20代・30代は、彼の若いころのぶっ飛んだ芸術世界に憧れ、超芸術トマソンに関心を抱いて街をさまよい、尾辻克彦名義の小説や、赤瀬川原平名義のエッセイを読みふけっていた。講演会にも行ったことがある。 近年…