わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

読書日記

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(26)

「群像」2020年5月号掲載。 背中の痛みが取れて身軽になった阿見さんの、過去に対する「ひっかかり」のような感覚を、そろばんの珠の動きと音などに喩えて表現しているのだが、そこに生まれる大きな人生の流れのようなものが、とても魅力的に感じる。不思議…

混雑の実感の希薄さ、あるいは自分の特殊性

五時四十分起床。身支度を済ませ、デスク周りの片付けとトイレ掃除をしてから、新聞を取りに、ついでに朝日を浴びに外へ出てみたが、歩いている人を一人も見かけなかった。数日前までは時差通勤で早朝から動いているらしき人を必ず見かけたのだが、それも減…

ガラガラの人と春の花

五時四十分起床。晴れ。葵は青空と朝日に刺激されたようで、早朝から遊ぶ気満々になっている。少しだけ追いかけっこに付き合わされた。よく遊ぶ猫だ。 仕事。 夕方、妻とウォーキング。ついでに妻の画材を調達。世界堂がやっていないので、荻窪の西友でなん…

好物ばかりを

五時四十分起床。首と肩の痛みはほぼ消えた。軽い違和感が残る程度。STAY HOMEがケガの治療に役立ったか。ま、仕事はし続けているわけだが。枕を変えたことも大きく影響していると思う。 雨。 仕事。某Webサイトのコピー、某金融機関パンフレットなど。 しら…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学」(125)近代篇40 母の欲望

「群像」2020年5月号掲載。連載完結…なのだが、ううう、物足りない! ゲーテやホフマンをフックにしたネーションのオリジン論からエディプス・コンプレックスへと話題が進み、フロイトへとつながらい、さらにはドゥルーズ=ガタリの「アンチ・オイディプス」…

長野まゆみ「ゴッホの犬と耳とひまわり」(5)

「群像」2020年5月号掲載。 ゴッホの家計簿らしきものが本物かどうかを調べて欲しい、という依頼の資料に付けられた長い送り状の話は少しずつ断片化し、母親が拾って助けた犬のゴッホ、そしてこの調査に関わる、フランス語の翻訳者(?)の語り手と血縁関係…

瀬戸内寂聴「その日まで」(16)

「群像」2020年5月号掲載。 前号は未掲載だったので、また体調を崩されたなと心配していたのだが、どうやら「新潮」と「群像」が話し合って、九十八歳の作家が文芸誌に連載二本は大変だろうから、交互に掲載していただくようにしようと話し合われたそうだ。…

直線首

五時四十分起床。 午前中は仕事。午後は作業を進めるも、寝違えた首の痛みがなんだかおかしなことになってきているので、思い切って整形外科へ。レントゲンも撮っていただいたのが、びっくりするようなストレートネック。これが痛みの原因かもしれない、とい…

保坂和志「鉄の胡蝶は夢は歳月は記憶に掘るか(20)」

「群像」2020年4月号掲載。外猫への餌やりを巡るご近所との攻防。この作品、実験性が非常に強い…なんて書くとご本人は否定するのだろうけれど。 群像 2020年 04 月号 [雑誌] 発売日: 2020/03/06 メディア: 雑誌 カンバセイション・ピース (河出文庫) 作者:保…

客観で主観を

五時四十分起床。 朝から仕事。書斎で延々と某案件のコピーを書きつづけた。それなりにはかどってはいるのだが、ちょこちょことヤフーや新聞社のサイトを除いては、新型コロナのニュースをチェックしてしまう。怖れや自己防衛本能とは少し違う感覚だな、とい…

鷲田清一「所有について」(2)所有と固有

「群像」2020年4月号掲載。 「所有」とは帰属のことであり「もつ」とは合致しないという問題から、ヨーロッパ系のさまざまな言語の語源や、名詞・形容詞・副詞などへの変化、意味の派生などから、「所有」とは何かを掘り下げている。property《所有〔権〕》…

長野まゆみ「ゴッホの犬と耳とひまわり」(4)

「群像」2020年4月号掲載。 大正の時代にゴッホが使っていた家計簿?らしきものをフランスの古書店で見つけた製紙会社の御曹司の半生。蚕で一儲け、というエピソードで描写されている蚕の生態が興味深かった。蚕と言えば、いとうせいこう『我々の恋愛』(だ…

18.65kmと桜

六時起床。朝のうちは曇りがちだったがすぐに青空がまさり、葵も窓際で日向ぼっこができるようになった。ここ数日強めだった風は収まり、穏やかだ。 午前中は掃除、アイロンがけ。 午後、妻が友達と閉店予定のカフェに顔を出すといって外出。ちゃっかりリサ…

コロコロと

五時四十分起床。晴れ。昨日は風が吹き荒れたが今日は落ち着いているようだが、気温はたいして変わらないという。明け方は冷えを感じたが、冬に戻ったというほどではない。 仕事。見積やら事務処理やら、打ち合わせの準備やら、と慌ただしく午前中を過ごし、…

尾崎真理子「ギー兄さんとは誰か 大江健三郎と柳田国男」(1)

「群像」2020年4月号掲載の新連載評論。大江の神話的でありながら知的な裏付けのある「谷間」の世界観は、確かに柳田の影響を受けているのかもしれない。『万延元年』やぼくの好きな『懐かしい年への手紙』のギー兄さん、『燃え上がる緑の木』の新しいギー兄…

鷲田清一「所有について」(1)

「群像」2020年3月号からの新連載。文芸誌から「文×論」の方向に大きくリニューアルしたこの雑誌の、ひとつの決意表明のような立場にある連載だと思う。 シェアリングという新しい概念が登場して資本主義の形が少しずつ変わろうとしている一方で、貧富の差は…

保坂和志「鉄の胡蝶は記憶の夢に歳月の掘るか」(19)

「群像」2020年3月号掲載。語り手が以前ムーミンのミイのラグを買った店の店主の、従兄妹同士のほのかな感情、映画館で語り手が見かけた「ニューシネマ・パラダイス」を見る華奢な女の子とゴツい男の子のカップル、そしてルネだかルノワールだかの展覧会のポ…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学」近代篇38 構造と歴史

「群像」2020年3月号掲載。ネーション(国民)という概念は客観的には新しいのにネーション(を構成する人々)たち自身は自らを古くて伝統のある存在にしたがる。なぜ彼らは近代的な思想や生活様式、社会構造などをもった自分たちの起源を、古代的・歴史的な…

撃沈のラムレーズン

六時起床。風邪はほぼ治った。いつもの土曜日のように身支度、そして少し念入りな掃除を済ませる。午後は洗濯済みのシャツにアイロンを当てた。 夕方、妻の友人特製のラムレーズン入りのケーキをいただく。つくりたてだそうだ。アルコールが喘息発作を誘発す…

掃除と操縦

五時四十分起床。また妙な夢を見た。目覚めてすぐ書いたメモには「古い風呂、マジンガー」とある。古い風呂を掃除していた記憶はあるのだが、マジンガーのほうは思い出せない。操縦でもしていたか、それとも相手として戦ったか。 仕事。某案件の構成案を早々…

回復

こんなに寝たらもうこれ以上眠れない、という限界だったのか。四時には目が覚めてしまったが、その後、結局うとうとしつづけていた。ものすごく古い家に引っ越す夢、そして室井佑月や知らないおっさん、若者たちと謎の合宿をする夢をつづけて見た。 五時三十…

断片と物語

五時四十分起床。曇りがちだが青空も広がっている。 仕事。某美容系案件を黙々と。夕方、ウォーキングを兼ねて整骨院へ。腱鞘炎の治療。痛みはかなりなくなっている。こうしてキーボードを使うことも、鉛筆であれこれ書くこともできる。 夕食は鮭のムニエル…

ポール・オースター/柴田元幸訳『ガラスの街』

少しずつ読み進めている。私立探偵ポール・オースターに間違えられたクインは、虐待を受けながら育ったらしい依頼人を出所してくる彼の父親から守るという依頼を受け、その準備を始める。クインはノートにメモを書き出すが、状況ゆえなのか、それともクイン…

秋野亥左牟『プンク・マインチャ』

Eテレ「日曜美術館」で紹介されていた絵本作家、衝撃のデビュー作。1968年初版とあった。ネパールに伝わる民話を元にしているらしいのだが、サイケな世界観の絵、強烈なキャラクター描写、登場人物があっけなく死ぬという痛烈な死生観と因果応報的な寓意に満…

ポール・オースター/柴田元幸訳『ガラスの街』

数日前からちょこちょこと読み進めている。オースターの作品に出会ったのは、大学生の頃だったか、それとも社会人になってからか。確か、ニューヨーク三部作の最高傑作と言われる『幽霊たち』を読み、その後、本作、そして『鍵のかかった部屋』と読んだよう…

三時間近く

今朝も五時四十分起床。昼間にアホなことを考えていたからだろうが、アホな夢を見た。ただし、アホな夢をいたという印象だけが残っているのであって、その内容はさっぱり覚えていない。目覚めた瞬間に感じている間抜けな笑いと呆れた感覚。 仕事。某案件の見…

瀬戸内寂聴「その日まで」(15)

「群像」2020年2月号掲載のエッセイ。この連載では過去に交流がありすでに他界している作家との思い出が中心になっていたが、今回は家族との記憶、そしてフェミニズムについて述べている。 群像 2020年 02 月号 [雑誌] 作者: 出版社/メーカー: 講談社 発売日…

町田康「神xyの物語」

「群像」2020年1月号の短篇特集に掲載。要するに古事記の冒頭ですが、町田節全開。『記憶の盆をどり』がかなり評判いいので、読んでみようと思っている。『ホサナ』が自分には合わなくて、途中で読むのをやめちゃったんだけどねえ。他の作品は結構読んでる。…

細菌性ではなかった

五時四十分起床。 妻は、昨日嘔吐し一瞬だったが体調を崩したコジコジを連れて鳥の病院へ。ぼくは後楽園で打ち合わせを二発。 妻からLINEで連絡。こっちゃん、換羽によるストレスが原因で細菌性ではなかった。今後、食事量の制限は必要だが問題はないそうだ…

滝口悠生「隕石」

「群像」2020年1月号掲載。迷いこむようにして訪れた居酒屋での会話。隕石、方言、佐渡、蜘蛛、金、ネパール、カレー、ナン…。最後にこれらが「UFO」に集約されていく(と読めなくもない)。その不思議なまとまり方が、妙に面白い。 群像 2020年 01 月号 [雑…