わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

不安/眼鏡

 暇という感覚は本能から来るものではないらしい。アタマの中で「明日はとくにすることもないからのんびりしよう」と決心してから床に付いたはずなのに、目覚しがなるより一時間も早く目覚めてしまう。暇だから寝る、というよりは暇という状況を打破して充実した一日を過ごしたいから自然と早く起きてしまう、と言ったほうが正しいか。充実、とはポジティブでカッチョイイ感じであるが、なんということはない、仕事がもらえなかったらどうしようという焦りと不安に囚われているだけだ。
 不安とは、ニンゲンに愛を感じさせるために存在している、と何かの本で読んだ。なら、仕事に不安を感じているぼくは、じつのところ仕事を愛しているということか。なるほど愛していなければ独立開業などできない。だが、ぼくが愛しているのは仕事そのものではなくて、仕事の部分的な要素なのだろう。たとえば、考えるという行為。企画を立案するという行為。言葉を綴るという行為。
 
 七時三十分、事務所へ。三十分後ろ倒しになるだけで、ひとどおりは数倍に膨れ上がる。話題のクールビズを装うオッサンをひとりくらいは見かけるかと思ったが、それらしきファッションは見つからない。政府は数年を要する覚悟でこの試みに取り組むべきだ。
 
 午前中は資料整理。ため込んだ切り抜きやパンフレット、雑誌の類いを一気に捨てた。
 午後から外出。吉祥寺のラオックスで「Norton SystemWorks」を購入。会社のメインマシンをiMac G5にしたのだが、バックアップやディスク保護については何も手を打っていなかった。備えあればなんとやらである。
 伊勢丹で開かれていた九州物産展をチラリと覗く。薩摩揚げセット、はちみつ、カステラを購入。薩摩揚げには目がない。はちみつもカステラも大好物である。
 夕方、パルコの「白山眼鏡店」http://www.hakusan-megane.co.jp/でメガネをつくる。フレームに細かな傷や落ちない油汚れが目立つようになった。買い替えたいと思っていたが、フレームがすこしいたんだから、では買い替えの理由にはならない。きっかけが見つからず困っていたところ、カミサンが「最近目つきが悪いよ」と指摘するのでひょっとすると度があわなくなっているのでは、と考えた。今愛用しているものはおなじ白山眼鏡店オリジナルのセルフレームだが、ほかのセル素材のものは大振りすぎて小顔で頬がコケ気味のぼくがかけると、顔がメガネに負けてしまう。そこで、小ぶりでスクエアなフォルムのメタルフレームを選んでみた。これなら今のものと雰囲気も違うし、飽きずに楽しめそうだ。検視をしたら乱視が出てきたのでちょっと慌てた。度もずいぶん強くなってしまったようだが仕方ない。ひょっとしたら、目にあったメガネにすることで頭痛や肩凝りが治るかもしれない。淡い期待をしながら注文。九日にできあがる。
 
 十八時、帰社。連絡確認など済ませ、二十時、帰宅。
 
 花子、部屋から出せ、リビングに行かせろと大騒ぎするのは相変わらずだが、落ち着くまでに要する時間がどんどん短くなってきた。よい傾向だろう。この日記を書いている今も、ケージの上で寝ころんでだらだらと気ままに毛繕いしている。
 
 古井由吉『仮往生伝試文』。平安時代のサイコロを使った賭博と、現代の賭博――と言っていいものか――が効果的に対比されている。