わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

石市

宿酔いは治まった。空模様と同調しているのかと思えるほどに身体が晴れ晴れとしている。晴れ晴れとは普通、心に関する表現に使う言葉かもしれないが、今の体調は「晴れ晴れ」がいちばんふさわしい。それでも、朝六時に目覚し時計がなった直後は眠くて仕方ない。体調と眠気は関係があるのか、ないのか。よくわからない。寝る子は育つと昔から言うが、いい大人がいつまでも寝ていたら単なる怠けだとしかいいようがない。空がすっきりと晴れているなら、蒲団から抜け出して何かをはじめてみるべきだ。
 
七時、事務所へ。燃えるゴミを二袋出す。
午後より外出。気温は上がっているようだが不快さはない。単純にまだ真夏日となるほど気温が上がりきっていないからか、湿度が八月より低いせいか。時折吹く風は乾いていてさらりと心地よい。陽射しはうっすらと伸びるやわらかな雲ごしに当たるせいか、やさしく感じる。五反田のL社にて打ち合わせ。エンドレスを覚悟していたが、小一時間で終わってしまい拍子抜けする。夕方、ヒーラーの友人ゆうりさんhttp://lovelight.us/、カミサンと合流。新宿で開かれていたミネラルフェアhttp://www5.ocn.ne.jp/~space7/tima.htmをのぞく。流行りのパワーストーンや化石の展示即売会、とでも言おうか。目玉はウミサソリの化石らしいが、それよりもどでかい水晶のクラスターにばかり目が行く。原石を数種購入。ゆうりさんとお茶してから帰る。
 
花子、夜中に大興奮。フニャフニャと鳴いては、ドタドタとあちこちを駆け回る。
 
武田泰淳『身心快楽』。泰淳先生の闘病記がわずかではあるが記されていた。大作『富士』発表後のことは、傑作『目まいのする散歩』で読み取れるが、想像以上に過酷だったようだ。『目まい』は意識も定まらぬ状態で口述筆記で書かれたということになる。極限状態は思いもよらぬ力をひとに与えてくれる。それを秘められた力と賞賛すべきか、苦しい代償と呼ぶべきか。
古井由吉『仮往生伝試文』。死を連想させるもの、例えば動物の骨といったものは、すべて忌み嫌われていた。それが疫病や旱魃にイメージとしてつながり、暗い時代が形成される。平安、鎌倉の話である。


武田泰淳『身心快楽』身心快楽 (講談社文芸文庫)