わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

新作

コレ。

 早起きする気などないのに目が覚めた。蒸し暑い朝の空気で空っぽの胃袋が湿気に膨れるのを感じながら、とりあえず花子、とゴハンを与えた。七時だ。いつもよりは遅い。タオルケットを握り、花子がいる書斎に倒れてみると、暑いというのに身体をピタリと寄せてきた。ゴロゴロと喉を鳴らしつづけている。よしよし、いい子だね、と話しかけながらしばらくまどろんだ。
 
 事務所移転ための大掃除。書斎の本を整理し、なんとか事務所の蔵書をこちらに持ち込めるくらいのスペースをつくった。
 
 午後、リサイクルショップの「慈光」のスタッフが荷物を引き取りに来る。本棚、読書スタンド、座布団五枚組、ノーブランドのラジカセ、蛍光灯型電気スタンド、菓子鉢、大皿、ドラゴンフライなど。全部で五〇〇〇円にもなった。残念ながら、ボディブレード――1メートル50くらいの平たい棒で、ブンブンと振動させて身体を鍛える器具――は引き取ってもらえなかった。トレーニング器具にはトレンドがあるからだろう。
 
 十六時、渋谷へ。西武の「ヨウジヤマモトhttp://www.yohjiyamamoto.co.jp/を覗く。秋冬の立ち上がりは先週の金曜だったのだが、仕事が立て込んで見に行けなかった。Webでコレクションを観ていたので今シーズンは――昨年の秋冬ほどではないが――期待していた。目玉は貨物用のズタ袋を再生させてつくったライン。素材が最初から汚れているから驚きだ。臭いを取るのが大変だったらしい、と店員のLさんが話していた。そちらはパスして、ぼくはウールギャバジンのラインを買うことに。今年のギャバは折り目が粗く、その分武骨さを感じさせる。取り外し可能なフードが付いたタイプが好みなのだが、カミサンもLさんも「かわいすぎてダメ」と勧めない。結局、襟の部分に短い帯がついていてスタンドカラーのようにも着れるジャケットを買うことに。サイドベンツなのだが、左右で切り込みの長さが違うところも気に入っている。同素材のイージーパンツを合わせた。
 近ごろは仕事ばかりで趣味がない。愉しみといえば、仕事に関わる部分ではあるが、読書。そして服を買い、着ることくらいだ。服への執着は、どういうわけか子どものころから激しい。仕立屋の修業をしたこともある父の影響か。
 
 荻窪西友に寄り、乾燥剤、マスキングテープなどを購入してから義父母宅へ。夕食をごちそうになった。コロッケ。

 身体の芯に篭るような暑さは夜になって引いた。だが風がない。暑さのなごりのなか、湿気がしずかに蠢いているような気がした。
 
 高橋源一郎『ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ』を読みはじめる。うーん。ここ数年の作者の傾向ではあるけれど、キレがないよなあ…。
 


高橋源一郎『ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ』ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ