わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

茹豚

盛りつけは雑。

気づくと花子が横にいた。小さな身体がぼくの身体と平行に並んでいる。夕べは何度も眠る場所を変えていたが、いつの間にか一ヶ所に決め込んで休んでいたらしい。動きすぎると術後の身体に負担がかかることがだんだんわかってきたのか。朝、六時。話しかけるとフーンと鼻を鳴らして応えた。元気はあるらしい。ゴハン食べるか、と言うと、食べる、と答えるように起き上がった。しかしまだいつもの調子ではない。缶詰めの柔らかいツナの肉も、噛むのに一苦労するようだ。いつの間にか、ゴハンを盛った皿から離れてしまった。食べにくいから、いらない。そう言われているように思えた。
 
 八時、起床。食べにくいのがよほどいやだったのか、また口の中に手を突っ込んで患部をかきむしろうとしている。慌ててエリザベスカラーを装着した。手を突っ込むのはやめてくれたが、今度はカラーが邪魔だとわめきつづける。外してしまおうと、何度も襟の部分をかきむしる。しばらくすると落ち着いたが、思い出したようにカラーを外そうとすることが何度あったろう。二時間もしたら、自分でカラーを外してしまっていた。その後しばらく様子を見たが、口に手を入れる様子はないので放っておくことにした。カラー装着で患部から気が紛れたらしい。
 
 掃除など。午後から荻窪へ買い出し。豚肩ロースブロック、香菜、ニンジン、ちんげん菜、長ねぎ、牛乳など。ルミネ1階の沖縄産直店で、サーターアンダギーを買って帰る。行きは涼やかで過ごしやすかったが、帰りには蒸した空気が肌に張り付くようで、一刻も早く帰りたいと思った。
 
 帰宅後、豚肉を茹ではじめる。醤油、酒、塩、コショウで下味をつけてから長ねぎ、ショウガといっしょに茹で、アクを取る。取りきったところで圧力鍋。これで自家製チャーシューの完成。中国醤油、ミソ、砂糖、酒、ミリン、ネギ、ショウガなどでタレをつくる。付け合わせはニンジンとじゃがいもの温野菜。ちんげん菜はごま油でさっと炒めた。テレビを観ながら食す。豚肉はややスジっぽかったものの、柔らかい仕上がりで臭みもない。特製のタレとの相性もバツグン。皿に散らした香菜が味をさらに引き立ててくれた。
 
 二十一時ごろから雨が降りはじめる。
 
 花子、夕方から寝てばかり。まだ疲れが尾を引いているのだろう。仕方のないことだ。なるべくストレスを感じさせないように気を配らなければ。
 
 日記にはとくに書かなかったが、昨日の地震はかなりの被害だったらしい。くま吉さん家は、台所でザルが散乱していたらしい。なぜ、ザルだけなのだろう。わが家でも何かが落ちる音はしたが、結局何が落ちたかわからなかった。
 
 高橋源一郎『ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ』。連作小説なので、いつどの短編を読んだのかわからなくなるなあ。